インターネット弁護士協議会の
著作権に関する暫定方針

これは、ilc-B MLを中心に検討された結果の暫定方針案であり、
ILC会員によって、可決された場合に正式なものとして公開されることとなります。



 インターネット弁護士協議会の著作権に関する暫定方針

                   (ILC著作権暫定方針)

                   1996年12月xx日版

                (案)


1. 【本方針の目的】

インターネットにおける著作権の問題は、しばしばインターネット内外で議 論の対象となっており、今後、権利者と利用者、文化学芸輸出国と輸入国、 などの対立、混合などから、より活発な議論がなされるものと思われます。
このような状況下で、インターネット弁護士協議会として、インターネット でアクセスできる一定の著作物を対象に、その利用者による利用などについ ての一定の方針を示し、皆様の参考に供するとともに、これについてのご批 判、ご意見などをいただくことは、それ自体価値のあることと考えます。以 上の目的で、この暫定方針を公表します。

この暫定方針は、著作権使用料をとることを直接の目的とせず、主として、 できるだけ多くの人に見てもらうことを希望して公開した、インターネット のホームページで一般的と思われる著作物を念頭においています。インター ネット弁護士協議会の声明や法律上の議論などについては、より多くの人に 見てもらう必要性が高く、また、その機会を保障すべきものとして、裁判手 続などにおける公開の陳述や、公開して行われた政治上の演説又は陳述につ いて日本の著作権法第40条が定めるところに準じて、同一著作者の物を編 集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用すること ができるものとするなど、その利用をより開放的にする予定です。

2. 【対象著作物】

この方針は、次の各項の著作物(以下「対象著作物」と総称します)に適用 されます。

2. 1. (ILCホームページ上の著作物)

インターネット弁護士協議会のホーム・ページの下記URLにインターネットの WWWでアクセスしたときに、HTMLの仕様上、リンクの実行その他特別の行為な しに送信されるデータの集合若しくは組合わせ又はこれらから利用者が感知 できる著作物。

ロゴ、写真、画像、リンク・リスト、ホームページ全体のデザイン、HTM Lファイル、文章などがその対象として考えられますが、これが著作物と認 められるか否かは、利用行為に適用される著作権法(以下「準拠著作権法」 といいます)によって決まります。適用される著作権条約によっては準拠著 作権法だけでなく著作物の本国の著作権法でも著作物と認められなければ準 拠著作権法で保護されないこともあります。

記(URLの特定)
http://.......
http://.......
http://.......

2. 2. (準拠を表示した著作物)

その他の著作物で、その著作者及び著作権者が「ILC著作権暫定方針1996年12 月xx日版に準拠する」旨の表示をしているもの。

この暫定方針の一部のみに準拠することや、一部を除外して準拠することも できます。

3. 【自由利用及び利用許諾】

3. 1. (準拠著作権法による自由利用)

準拠著作権法によって、著作権保護の対象とならない利用行為、及び、フェ ア・ユース、フェア・ディーリング、著作権の制限、自由利用などと呼ばれ る規定で自由とされている利用行為(これら利用行為を以下「準拠著作権法 による自由利用」といいます)は、本方針の規定いかんに拘わらず当然に自 由です。

3. 2. (日本著作権法による自由利用)

前記3.1.項の「準拠著作権法による自由利用」に該当しない利用行為であっ ても、日本の著作権法によれば、保護の対象となり得ない利用行為、及び、 法律上当然に自由利用できる利用行為は、これを、あらゆる利用者に許諾し ます。
日本の著作権法は、著作権保護の対象となる利用行為を、その第2章第3節第3 款(著作権に含まれる権利の種類)で定め、第2章第3節第5款(著作権の制限 )などで、著作権保護の対象となりうる利用行為であっても、当然に自由利 用できる範囲を定めています。

3. 3. (利用許諾)

前記3.1.項(準拠著作権法による自由利用)又は前記3.2.項(日本著作権法 による自由利用)にに該当しない利用行為であっても、次の各利用行為は、 これを、あらゆる利用者に許諾します。

3. 3. 1. (インターネット利用のためのデジタル複製等)

自らインターネットを利用して著作物等を感知すること又は第三者のこの感 知の便益を計ることを目的とする、コンピュータの外部記憶装置、主記憶装 置、及び画像表示用記憶装・u?複製(以下「デジタル複製」といいます) 及びその送信並びにこれらに付随する行為。
但し、対象著作物のインターネット上の原本が撤回、移動又は変更された後 、合理的期間経過後も、これに伴う是正がなされずに本項の利用行為が継続 されている場合は、本項で許容する目的での利用行為とはみなしません。
出所の明示は、第3.3.9.項に従えば足りるものとします。
本項の利用行為には、次の行為を含みます。
(1)プロキシ・サーバ、ローカル・サーバ、インターネット・カフェ及びイン ターネット接続端末などにおける、ハードディスクなどへのキャッシング及 びコンピュータのRAMへの一時的蓄積
(2)検索サービス提供用サーバにおける情報解析、参照資料の提供などのため のデジタル複製
(3)対象著作物を含むURLへのリンク(仮に、準拠著作権法上、複製、送信、 頒布など著作権保護の対象となる行為に該当すことがあるとしても、WWWサー バ、ホームページなどでするハイパーリンク、イメージリンクを含みます)

3. 3. 2. (個人的参照のための複製等)

個人的参照に供する保存を目的とする一部又は全部の複製、翻訳、翻案及び 変更その他一切の利用行為。

参照の目的は業務のためであると否とを問わず、デジタル複製であるとプリ ント・アウト、フォト・コピーその他の非デジタル複製であるとを問わず、 また、複製等を他人に作成させてもかまいませんが、複製等は保存者の個人 的参照に必要な範囲に限ります。
また、この目的で作成されたものを他の目的に用いるときには、当該目的で の利用に適用される法又は許諾条件に従って下さい。

3. 3. 3. (グループ研究、教育等のための複製等)

グループでの学習、研究、検討、調査、討議又は教育のために無償又は複製 、流通の実費のみでする複製及びその送信並びにこれらに付随する行為。

デジタル複製及びその送信の場合には、グループの人数は、特に限定しませ んが、プリント・アウト、フォトコピー、印刷その他の非デジタル複製の場 合には、100部以上の複製が必要なときには、著作権者から別途許諾をと って下さい。
出所の明示は、第3.3.9.項に従えば足りるものとします。

3. 3. 4. (紹介、報道、批評のための複製等)

対象著作物又はこれに関わる人物若しくは団体を紹介、報道又は批評するこ とを目的とする、対象著作物の、目的上合理的な範囲の複製及びその送信、 放送、展示、頒布、出版その他の利用行為。

目的上合理的であれば、全部の転載もかまいませんし、また、紹介、報道、 批評の部分より対象著作物の複製部分のほうが量的に多くなっても、かまい ません。
出所の明示は、第3.3.9.項に従えば足りるものとします。

3. 3. 5. (視聴覚障碍者等のための変更・複製等)

視覚又は聴覚の障碍者に対象著作物を感知させるための、目的上合理的と認 められる対象著作物の変更、複製、その他の利用行為
出所の明示は、第3.3.9.項に従えば足りるものとします。

3. 3. 6. (公正な利用)

以上の他、利用の目的及び性格、著作物の性質、利用する部分の量及び重要 性、利用行為が著作物の価値に与える影響などを考慮して客観的に公正と認 められる利用行為
出所の明示義務は、第3.3.9.項に従えば足りるものとします。

3. 3. 7. (公表に関わる事項)

対象著作物は、準拠著作権法上「公表」又は「発行」に該当すると否とにか かわらず、公表又は発行された著作物として準拠著作権法上又は日本著作権 法を適用して下さい。その上で、準拠著作権法上又は日本著作権法上、公表 又は発行された著作物について許容されている利用行為をすることを許容し ます。

3. 3. 8. (同一性保持に関わる事項)

準拠著作権法上同一性保持権の内容とされるもののうち、著作者の名誉又は 声望を害するもの以外の改変は、利用の目的上合理的であればこれを許容し ます。
許容する改変には、著作者の利用機器又はプログラムの適したフォーマット 等の変換、データ圧縮、漢字コード変換、減色、白黒化、縮小、拡大、接続 時間短縮のための文字情報のみの複製及び送信などを含みます。

3. 3. 9. (著作者名表示に関わる許諾)

対象著作物をインターネットにより公衆に提供又は提示する場合には、著作 者名の表示されるURL情報を公衆が感知しうるように送信することなど公衆が 容易に著作者を特定する手段が確保されているときは、準拠著作権法上及び 日本著作権法上適法な著作者名表示として扱うことを許容します。

また、インターネット上の原本のURL情報を公衆が感知しうるように送信する ことは、準拠著作権法上及び日本著作権法上、適法な出所の明示があるもの として扱うことを許容します。
4. 【利用に際しての留意事項】

4. 1. (留保される権利)

上記第3.項【自?の権利は、原則として著作権者に留保されます。特に、著作者人格権に ついては、上記第3.3.7.項ないし3.3.9.項で許容するものを除くほか、第3.3.1. 項ないし3.3.6.項による利用に際しても配慮するようご注意下さい。

4. 2. (不正な利用行為)

また、許諾された利用行為でも、利用行為の態様によっては、利用行為に適 用される不法行為法、刑事法、不正競争防止法などによって禁止される場合 もありますので、この点もご留意下さい。とりわけ、次のものについては、 利用する対象物が著作物と認められるか否かに拘わらず、各国の不正競争防 止法などに基づき、厳正に対処する所存です。
(1)利用する対象物に関与する団体や人物の活動との混同を生じさせる行為
(2)利用する対象物に関与する団体や人物の活動に関する信用を害する虚偽の 主張
(3)利用者の活動の性質、特徴、用途について公衆を誤らせるような表示及び 主張

4. 3. (利用許諾の意味)

上記第3.3.項(利用の許諾)で列挙された利用行為は、著作権者又は著作者 が、日本著作権法上又は準拠著作権法上、これらの行為について本来禁止す る権利を有していることを主張するものではありません。

4. 4. (対象著作物に含まれる第三者の著作物)

対象著作物に第三者の著作物(以下「原著作物」といいます)が含まれてい る場合には、原著作物には本方針は適用されず、その利用は準拠著作権法に 従って行って下さい。

対象著作物に原著作物を含ませることについては対象著作物の創作行為が行 われた場所の法に基づいて権利処理がなされています。利用行為に適用され る法律がこれと異なるか否かの調査は事実上不可能ですので、これに関する 問題が生じた場合には、著作者又は著作権者にご一報下さい。



この暫定方針自体の利用については、いずれの方法によるかを問わず、利用 することができるものとします。本暫定方針の内容に賛同し自己の著作物の 利用条件に転用しようとする場合は、当該著作物に適合するように改変して 利用することもできます。出所の明示も特に必要ありません。但し、4.2.項 (不正な利用行為)にはご注意下さい。

1996年12月xx日 インターネット弁護士協議会

この暫定方針についての質問、意見などの窓口:
   インターネット弁護士協議会著作権委員会窓口担当
E-Mail: xxxxxxxxxxxxxxx


著作権(ロゴ)問題に関する議論1
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著作権(ロゴ)問題に関する議論2
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