いわゆる盗聴法案に関する議論経過




[ilc 346](法専)ニュース
面白い記事を発見しましたので、御連絡です。
アメリカでの動きです。

だいぶ進んでいるようなので、注目しながら、もし出来れば接触を持ちましょう。
英語が達者な弁護士も多いことですから、ね、金井先生、藤本先生、速水先生、 他、皆さん。

以下は、「毎日新聞ニュース ジャムジャムという記事のインターネットニュー ス、という特配員の記事から引用しました。

 今一つ内容的には、はっきりしない点もあるので、
http://www2.nando.net/newsroom/ntn/info/100296/info8_3216.html
http://www.discovery.org/iltf.html

 の双方にアクセスしてみてください。
 前者は、良くわかりませんでした。このページが移ったのか、どこかの項目に 入っているのか、発見できませんでした。もし見つかったら、教えてください。

 後者の方は、活動内容が報告されたり、会の内容があったり、だいぶ読み応え のある英語でした。すなわち、読むのが大変で、ダウンロードしたという意味で す。
 何やら、我々の、だいぶ先を行っているようで、大きく先を越されたような、 嬉しいような、是非ともお友達になりたい存在ですね。
 法律専門部として、しっかり対応しなければならない部分です。

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(引用)
  8)21の企業がインターネットの法律を考えるグループに資金援助
http://www2.nando.net/newsroom/ntn/info/100296/info8_3216.html

 「Internet Legal Task Force」として知られていたインターネット上の著作権や 電子商取引といった問題について話し合うためのグループが、21の国際的な企業から 資金援助を得て新たに「Internet Law & Policy Forum」として出発する。Nando.net が伝えた。
 このグループでは「ポルノが子供の手に渡らないようにするにはどうすればよいか」 「文書の正当性を示す署名をインターネットで実現するにはどうすればよいか」「2 つの企業が同じドメイン名を使いたい場合、どう決着をつければよいか」といった問 題を考え、政府、企業や法律の専門家から意見を集めて最善の解決策を模索する。
 その研究結果をガイドラインとして政府や企業に提示することによって、強力な権 力に頼ることなく産業が自主的に問題を解決できるようにすることが大きな目標だ。
今回付いたスポンサーにはオンラインサービス大手のアメリカ・オンライン、大手通 信会社のAT&T、Bell Canada、British Telecom、さらにマイクロソフト、ネットスケ ープやオラクルといった会社も含まれており、年末までには10万ドル(約1100万円) の基金を設立する予定だ。

[Internet Law & Policy Forum]
http://www.discovery.org/iltf.html
                    Reported by Aoki Taiga (Tokyo,Japan)



[ilc 372]法務省のインターネット規制法制定に対し

会員の皆さん  牧野です

 ご承知の通り、今朝の新聞報道によれば、法務省は、既に相当の法的規制を 練り上げた模様で、来春国会に法案提出という予定だとのこと、その法的内容 は、一切明らかにされていないのであって、国民に一切問うことなく、一気呵 成に規制に走り出しているという格好です。

 我々が、ノタノタしていると、知らないうちにインターネット上の規制が決 まってしまって、息苦しい、窒息状態に陥ってしまい、息苦しいことに気が付 いたときは、もはやどうにもならないと言う事態になっているかも知れません。

 インターネト上の法規制問題に関して、自信を持って主張できるグループは、 インターネットをこよなく愛する我々をおいて他はないはずです。我々のこの 問題に対する、きちんとした対応こそが、インターネット愛好家の、そして世 界のインターネト利用者の期待するものであるはずです。

 そこで、緊急の提案ですが、

 「インターネト規制立法検討委員会」

を発足させ、インターネットに関する法的規制に対する提言・インターネット 利用の観点からの問題点の指摘、疑問の整理、その他、法制化に対する問題点 の検討を、早急に始めたいと思います。この委員会の対象とする問題は、表現 の自由に限らず、暗号・認証の問題、セキュリティーの問題、犯罪利用に対す る適切な対処、刑事的な捜査の方法に関する問題など、かなり広範な問題を扱 うことになります。
 全会員が、最も関心のあることでもあり、又差し迫った問題でしょう。単に、 反対とか、賛成とかの問題ではなく、世界の動きや、インターネットの活用と いう観点から、市民の声を法務省に突きつけると言うこと自体に、重要な意義 があるはずです。

 この委員会で、法制化の問題を検討し、提言としてまとめ、その後総会を招 集して、会としての提言として承認されれば、公表し、法務省に申し入れを行 うなど、具体的な行動をしたいと思います。

 この提案に対する御意見をお願いいたします。

 現在構想中の委員会構成ですが、
   1 インターネットの法的評価に関する専門部会
   2 猥褻図画、賭博行為、麻薬取引など等、犯罪行為に関する研究部会
   3 電気通信事業法、表現の自由に関する研究部会
   4 インターネットに対する捜査、令状制度の問題研究部会
   5 インターネット上のセキュリティー研究部会
   6 世界の法的規制の研究部会
   7 市民の声集約部会
     メールやホームページを通して、広く意見を聴取してまとまあげる。

  といった分担をしたらどうでしょうか。
 本会には、刑事、民事の各専門家もおれらますし、自薦他薦で、担当者を決 め、研究、提言のまとめを行うということでスタートしたいと思います。

 時に異論がなければ、今晩でも、更に詳細な提案を行い、早速検討を開始し たいと思います。

                              代表 牧野



[ilc 374]代表名での声明文について

会員の皆さん  代表の牧野です。

 先程の提案に加え、2点提案します。

 一つは、我が会としての、声明文の公表です。機敏な反応が必要な時期 だとの認識から、声明文を作成し、公表して、市民へ関連情報の提供と、 議論の集約をする必要があります。そのためにも、この時期を逃すことな く、機敏に行動すべきかと思います。本来は、会の声明は、総会で行うべ きでしょうが、インターネットでの、この問題は、各国との協調や、広く 市民の声を集めるという観点からも早急に議論して、意見の集約を進める べきものです。
 そこで、代表の責任で、次の声明文を作成しました。総意にかなうもの とは思いますが、ご意見、ご批判お願いします。


 二つ目は、市民への、法制化に対するアンケートや、意見の集約のため に、新しくメールアドレスを確保して、その専門担当を決めて、整理して、 公表していくことが必要だと思います。
 新しいメールアドレスへ、全国のメールを集約し、アンケートの回答な ども集約して、その内容を、ホームページにして公開して、更に議論を深 めて行く必要があるのではないでしょうか。


 以上、2点です。至急ご検討、ご意見ください。





    インターネット法規制に対する声明文
                       インターネット弁護士協議会
                                    代表  牧 野 二 郎

 本日、各新聞紙上において、インターネット上の表現行為、取引行為などにつき、 インターネットの盗聴などを認容するための法改正を法務省が法制審議会に諮問し、 インターネットの規制法を来年通常国会に提出するという報道がなされた。

   インターネット問題に関して、国民の関心は次第に高まり、その重要な役割の評 価と共に、問題点の指摘もなされつつある。しかし、我が国においては、インターネ ットの経験は浅く、インターネットの功罪について、十分な認識がなされていない。
 刑事犯に関する捜査方法に関しても、手探り状態にあり、電気通信事業法に違反す る捜査が行われているという指摘もなされ、捜査方法の適正運用の方向を確立する必 要性は高い。


 しかも、インターネットの最も大きな特徴は、人種も、国境も越えて、情報の交流 が自由となるという点であって、ここから、各国の独自の法体系では対応しきれな いと言う現実がある。国内の問題に関しては、その適用の方法などを検討すべき であると同時に、国際的な観点で、インターネット上での情報の流通を阻害しない ような適正なルール作りが求められている。

 法務省が、インターネットに対し、法的対策を検討することは国民の権利保護の 観点からも必要ではあるが、インターネットに対する理解が未成熟のまま、規制の みを急ぐことは、過度の法規制や間違えた規制となる危険があり、国民の合意が 得られず法律の空洞化を招来する危険もある。

 インターネット弁護士協議会は、インターネットの情報交流の機能を高く評価し、 市民の情報の流通にとって極めて重要な情報伝達手段であるとの認識を持つに 至っている。この情報伝達の機能を損なうことなく、適正なルールを確立すること は必要であると共に、そのルールは市民の総意に基づくものでなければならず、 ルール化の議論は、広く公開された場で、行われなければならないと考えている。

 インターネット弁護士協議会は、法務省に対し、次のことを申し入れる。

 1 省内での法制化の議論を、全て公開し、法律専門家の意見を聞き、市民の声を聞きながら、法制化の方法を検討すべきこと。

 2 法制化の目的は、真に、インターネトの利用が促進され、活用されるということにあることを明確にすること。

 3 インターネットの法的規制はインターネット上の問題として、インターネットを利用して、インターネット利用者の判断を尊重すること。

 法務省は、これまでインターネットを利用した情報の開示を行ってこなかった。
 今月に入って、初めて、ホムページを利用した情報の開示を始めた。
 他の、内閣総理大臣を始め、各省庁が、インターネット、とりわけホームページ による情報の開示を積極的に利用する中、法務省の消極的な姿勢は際立って いた。インターネットへの評価も、その果たす役割の重要性の認識も無いままで、 規制のみを追求することは、国民の感情に反するものであることを認識してもら いたい。

 以上。



[ilc 375] Re:法務省のインターネット規制法制定に対し

細川 信義 (hosokawa@hotline.co.jp) です。
MAILはよませていただいています。
消極的参加者で申し訳ありません。
インターネット規制法制定に対する提言は大変 いいように思います。
しかしilcのEーmailのおおいこと。



[ilc 376] Re:法務省のインターネット規制法制定に対し

若干のコメントです。

>  ご承知の通り、今朝の新聞報道によれば、法務省は、既に相当の法的規制を
> 練り上げた模様で、来春国会に法案提出という予定だとのこと、その法的内容
> は、一切明らかにされていないのであって、国民に一切問うことなく、一気呵
> 成に規制に走り出しているという格好です。
>
今日の新聞にでているのは、組織犯罪対策立法のことではないでしょうか。
これは、前から、話があり、日弁の民暴の委員会あたりには、書類がまわっている というやつじゃないかと思いますが。 (まちがっていたら御免なさい)

ネットワークにかんするものとしては、電話盗聴の点くらいじゃないか、と思います。
それも、アナログな電話を念頭においての規制となっていそうですね。
アメリカのようにクリッパーチップを電話に埋め込んで、その鍵をだれにもたそうか などというところには議論はいかないような気がします。(これは喜んでいいのかどうか 問題なのでしょうけど)


「インターネット規制立法検討委員会」については、私たちは、専門部会で、当然 これからの立法をにらんだ提言をしていくつもりなのですし、専門部会と別個の組織 の必要性というのがいま一つピンと来ないのですが

高橋 郁夫



[ilc 377]現時点での必要性の認識について

先程提案しました牧野です。


高橋さんの御指摘
「ネットワークにかんするものとしては、電話盗聴の点くらいじゃないか、と 思います。それも、アナログな電話を念頭においての規制となっていそうです ね。」

 にかんして、私はもう少し、幅広く捉えています。

 既にご報告の通り、広島事件、その前の新潟事件、更にさかのぼるとベッコ ウアメ事件ですが、この中では、電気通信事業法の3条4条を実質的に骨抜き にするような捜査方法が取られたのではないかという疑問がありますが、弁護 人はこの点は争わず、何も明らかにされていません。弁護士の無知が原因では ないかとも、思っています。捜索の対象の特定という、令状制度の基本をない がしろにした捜査がまかり通っていたとしか考えられないような証拠の出方、 被疑者の特定方法は、背筋が寒くなるような違和感を感じるのです。

 更に、金森さんの御連絡にあった日本海ネットからの、人気ランキングの休 止問題も、関連性を疑うものとなっています。

 先日来、確認を進めているのですが、多くのプロバイダーで、ニュースグル ープの一斉制限が進められているようです。なぜかはわかりませんが、問題の 多いグループが、ほとんど全て、受信できなくなっているようなのです。私の 加入しているアサヒネットも、リムネットも同じです。新規のプロバイダーは、 そもそもニュースグループを厳しく限定しています。

 この間、プロバイダーの臨時改修が多いとは思いませんか?臨時の修理とか、 突然のダウンとか、既に、会員の数名から御連絡がありましたが、私の加入し ているアサヒネットの例外ではありません。

 インターネット上の情報の規制が、こうした形で、回りからじわじわと進ん でいるのは事実でしょう。

 郵政省も電気通信事業法の改正のため既に準備を始めたといいます。ここに 来て法務省も相当準備をした上で、インターネットの傍受の合法化、プロバイ ダー捜査の大幅合法化、令状制度の大幅緩和、猥褻概念の拡大解釈と、矢継ぎ 早に進めると考えるべきでしょう。

 これらに的確に対処する必要があるのではないかというのが私の考えです。


 高橋さんがおっしゃるように、確かにこの会では、法律専門部があります。  この部会は、著作権や、肖像権、プライバシーと言った問題から、契約の成 立、通販上の問題など、法的な判断、提言を必要とする多くの部門を含みます。  ここで出来ればいいのですが、来年の通常国会には出きるかも知れない法案 に、市民からの声を集め、国民の意見を公表していく作業というのは、法律の 制定手続き自体を見つめ、議論していくものですから、かなり機敏な判断、と りまとめ、行動を伴うものとなると思います。その様な観点から、切り分けた 方が、混乱しないで良いか、という意見です。



[ilc 378] Re:代表名での声明文について

 こんどう@一般会員です。

 声明文の公表については諸手をあげて賛成いたします。

 ただ以下のところがやや気になりました。

At 13:05 96/10/06 +0900, 牧野二郎 wrote:

>  法務省が、インターネットに対し、法的対策を検討することは国民の権利保護の
> 観点からも必要ではあるが、インターネットに対する理解が未成熟のまま、規制の
> みを急ぐことは、過度の法規制や間違えた規制となる危険があり、国民の合意が
> 得られず法律の空洞化を招来する危険もある。

 この最後の部分です。

 現状を無視した形での立法による規制がネットを閉塞常況に追い込み、その利用価 値を激減させることが問題なのであって、あわてて立法したものの現状に適合しない から単なる訓示規定(放送法44条3項のごとき)として扱われるなら特に問題視する必 要はないと思います。

 よって「国民の合意...法律の空洞化云々」の部分を削除する事を提案します。



[ilc 379] Re:「インターネト規制立法検討委員会」及び声明文について

会員の速水です。「インターネト規制立法検討委員会」及び声明文について若干の意 見を述べさせていただきます。
(Mr Makino wrote): 高橋さんの御指摘「ネットワークにかんするものとしては、 電話盗聴の点くらいじゃないか、と思います。それも、アナログな電話を念頭におい ての規制となっていそうですね。」にかんして、私はもう少し、幅広く捉えています 。・・・この間、プロバイダーの臨時改修が多いとは思いませんか?インターネット 上の情報の規制が、こうした形で、回りからじわじわと進んでいるのは事実でしょう 。郵政省も電気通信事業法の改正のため既に準備を始めたといいます。ここに来て法 務省も相当準備をした上で、インターネットの傍受の合法化、プロバイダー捜査の大 幅合法化、令状制度の大幅緩和、猥褻概念の拡大解釈と、矢継ぎ早に進めると考える べきでしょう。これらに的確に対処する必要があるのではないかというのが私の考え です。>
(速水)私もそう思います。
 
(Mr Kondo wrote):現状を無視した形での立法による規制がネットを閉塞常況に追い 込み、その利用価値を激減させることが問題なのであって、あわてて立法したものの 現状に適合しないから単なる訓示規定(放送法44条3項のごとき)として扱われるなら 特に問題視する必要はないと思います。>
(速水)必ずしも、そうはいえないと思います。規制は恣意的に発動される特質を持 ち、たとえ当面は訓示規定的扱いに止まるとしても、規制を受ける側に与える萎縮効 果を過小評価できないのではないでしょうか?私もインターネットを野放しにすべき だとは思いませんが、少なくとも、申入にあるように、「省内での法制化の議論を、 全て公開」することを求める必要はあると思います。
 そこで、声明文の公表については賛成ですが、ただ以下のところがやや気になりま した。
>(1)「1 省内での法制化の議論を、全て公開し、法律専門家の意見を聞き、市民の
>声を聞きながら、法制化の方法を検討すべきこと。」のうち、「法律専門家の意見を聞
>き」は「各界専門家の意見を聞き」に改めた方がよいと考えます。インターネットの問
>題は、コンピュータ専門家を始め、これを活用しようとする経済界、学会、ジャーナリ
>ストその他広範な英知を集める必要があり、しかも法律家はこの分野での理解が相当遅
>と思うからです。もちろん牧野さんもこの趣旨から「市民の声を聞きながら」とされて
>いるのでしょうが、私は、市民一般レベルとは別に「各界専門家」の英知が不可欠だと
>思うのです。
 (2)それと、表現上の問題にすぎませんが、「インターネットの最も大きな特徴 は、人種も、国境も越えて、情報の交流が自由となるという点であって、ここから、 各国の独自の法体系では対応しきれないと言う現実がある」のうち、「人種も、国境 も越えて」は単に「国境を越えて」にした方がよいと思います。本件の問題と「人種 」はあまり関係がないし、「国境を越えて」にした方が後半の「各国の独自の法体系 では対応しきれない」に直裁につながると思うからです。

 以上。



[ilc 385] Re:現時点での必要性の認識について

インターネット弁護士協議会会員 各位

 9月30日のアーバン・インターネット摘発の一件について、アーバン・インターネット から正式のステートメントが出されています。

 新聞報道とは相当様子が違います。ここにかなりの作為を感じるのは、思い過ごしでしょ うか?

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弊社に関わる新聞報道について
平成8年10月4日
株式会社アーバンエコロジー
1.10月1日付の新聞各紙面に『わいせつ図画公然陳列の疑い』で、広島県警生活安全企画 課と広島東署が9月30日に弊社の幹部計3名を書類送検したことが報道されました。

今回の容疑は、海外にあるわいせつ図画にリンクを張った当社会員のホームページが、弊 社のホームページに掲載されていた「アクセスランキング」にランクインされ不特定のイン ターネット利用者に見せ、放置したというものです。

新聞の一部に『東区のアルバイト男性が米国のホームページから流用して作った云々』と の報道がされており、あたかも弊社のアルバイト男性であるかのような表現になっています が、この「アルバイト男性」は、弊社のインターネット会員ではありますが、弊社社員や弊 社のアルバイト社員ではありません。

また『三人は容疑を認めている』との報道もなされております。

この記事が錯雑であるが故か、どのような“容疑”を指しているか、この記事自体からは 判然としませんが、私どもと致しましては「如何様なる容疑」も認めてはおりません事をこ こに言明させていただきます。

2.本件に関する弊社の見解は、以下の通りです。

本来、会員皆さまの良識に従って情報掲載されるという原則で弊社のホームページ掲載を 運用してきたものがごくわずかの良識なき会員の行為により所轄官庁の捜査を受け入れざる をえない状況になってしまったことは真に遺憾であると考えております。

弊社の『アーバンインターネットサービス利用契約約款』においても、公序良俗に違反す るもの、もしくは違反する恐れのある行為および法令に違反するもの、もしくは違反する恐 れのある行為などは、会員の禁止行為として規程されております。

これにも関わらず、弊社インターネット会員からこうした良識のない行為を行ってしまっ た者がいたということで、会員の皆さまはじめご協力、ご支援を戴いている方々にご心配、 ご迷惑をおかけしたことは慚愧の念に耐えません。

弊社はこのような会員に対しては、本年9月以降電子メールで警告文を送り、会員自ら善 処がなされない場合は書面を以て通知し、それでも改善がなされない場合においてのみ当該 箇所の削除という措置をとるようにしております。

今後の対応と致しましては、会員の皆さまはじめ関係各位の方々のご協力をいただきなが ら、有識者による社外モニター制度の設置などにより、より質の高いインターネットの普及 に邁進していく所存で御座います。

ご承知のようにインターネットについても検閲は禁止され(電気通信事業法第3条)、且 つプロバイダーは、その会員の皆さま個々のメールやホームページの内容につきその秘密を 保護すべきこととされ(同法第4条)ていることからしても、またインターネットの仕組み からしてもプロバイダーが、これら個々のメールやホームページの内容全てに責任を負うわ けにも参りませんから、私どもとしましてはプロバイダーが、これら個々の会員の行為につ いてストレートに刑事責任を問われることに疑問を感じております。

現にインプレス社発行のインターネットウォッチの記事においても今回の件に関しては疑 問があるとの見解が述べられておりますので、参考にしていただければ幸甚です。

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*1) ステートメント全文は以上です。但し、改行位置は立山の責任において変更しています。
*2) 上記の「インターネットウォッチ」の記事は、下記のURLに全文掲載されています。
http://www.urban.or.jp/ub/iw.html

|立山紘毅



[ilc 389] Re:「インターネト規制立法検討委員会」及び声明文について

 こんどう@一般会員です。

At 02:36 96/10/07 +0900, nf5m-hym@asahi-net.or.jp (Mikiyoshi HAYAMI) wrote
in [ilc 379]:
> (Mr Kondo wrote):現状を無視した形での立法による規制がネットを閉塞常況に追い
> 込み、その利用価値を激減させることが問題なのであって、あわてて立法したものの
> 現状に適合しないから単なる訓示規定(放送法44条3項のごとき)として扱われるなら
> 特に問題視する必要はないと思います。>

> (速水)必ずしも、そうはいえないと思います。規制は恣意的に発動される特質を持
> ち、たとえ当面は訓示規定的扱いに止まるとしても、規制を受ける側に与える萎縮効
> 果を過小評価できないのではないでしょうか?

 この指摘には異論はありません。

 ただ私が言いたかったのは、過度にわたる規制がなされることに対する危惧を表明 する文脈において、規制立法が施行されたもののそれが形骸化するに至る場合につい てまで書く必要はないのではないか、ということです。

 こうしてみると前回の発言がかなり(どころか相当)不適切なものだったようです。
 以後気をつけます。


 また、速水氏の二つの修正意見につき賛成いたします。



[ilc 408]「法務省盗聴法案」について

会員の皆さん 牧野です。

新聞公表では、法務大臣が法制審議会へ諮問したという内容でしたが、 実のところは、どうやらすでに法案ができているようです。諮問する前に すでに法案ができているというのは、一体どういう事なんでしょうか?

これも国民不在の、法務省の独走なのでしょうか。ちょっと心配です。

「法務省盗聴法案」案いうものは、

http://www.jca.or.jp/~toshi/cen/wiretap.intr.html

「法務省盗聴法案を廃案に!!」というホームページで掲載されていま す。ぜひご覧ください。

只、見た感じ、全文というよりも、一部分抜粋というもののようです。
全文が見たいものです。

近々、この情報源のお一人である、同ホームページにお名前のある、弁 護士の山下幸男先生にあうことで、お約束が取れましたので、あらたな情 報を得ることができるかもしれません。

賛成か、反対かはともかく、今の段階では法案の正確な内容をしっかり とつかんで、その分析を急ぎたいと思います。その上で、我々としての、 インターネット規制になるのか、どう対処するか、どういう方向で考える べきかをきちんと議論したいと思います。

牧 野



[ilc 416](専法)選挙関連のサイトについて

みなさん、先日はオフ会でお会いできて楽しかったです。
若干、騒音が大きかったかな、と反省していますが。
それにはしっこの方で刑事関係で盛り上がってしまい、 なかなかみなさんと話せなかったのが心残りです。

ところで;

現在、ニフティ上でも選挙関連の対応を迫られていますが、 以下のURLにある慶応義塾がアンケートをとっているサイ トが公職選挙法にひっかかるとされた、というニュースを 見かけました。まだ、まったく確認をしていないのですが、 どなたか詳しい状況をご存じでしょうか?

  http://seiji.a-z.or.jp/

ニフティのFSHIMINやFACTIVE、FNETDなどでは選挙関連の発 言が出てきはじめており、一応、あからさまな投票依頼でも しないかぎりは、意見表明はかまわないというスタンスです。


============================================================
▼▽(^^)/~ 寺中 誠 (てらまこ) (..)β"▲△



[ilc 422] Re:(専法)選挙関連のサイトについて

初めてごさいさつですm(_._)m

一般会員、新党さきがけ政策調査会及びインターネット関連担当の岡本と申します。
先日のオフには当日飛び込もうと思っていたのですがやっぱりダメでした。>牧野さん

公選法とインターネットの関係など自治省に公開質問(10/1朝日朝刊など)していや がられている張本人でございます。次のオフにはきっと参加させていただきますので よろしくお願い致します。

>
> 現在、ニフティ上でも選挙関連の対応を迫られていますが、
> 以下のURLにある慶応義塾がアンケートをとっているサイ
> トが公職選挙法にひっかかるとされた、というニュースを
> 見かけました。まだ、まったく確認をしていないのですが、
> どなたか詳しい状況をご存じでしょうか? 
>
>   http://seiji.a-z.or.jp/
>
> ニフティのFSHIMINやFACTIVE、FNETDなどでは選挙関連の発
> 言が出てきはじめており、一応、あからさまな投票依頼でも
> しないかぎりは、意見表明はかまわないというスタンスです。
>

ついに「文書・図画の頒布・掲示」違反でページが摘発されるということならニュー スです。
私も事実確認してみます。

-------------------------------------------------------
 岡本 健司



[ilc 456]盗聴法の内容判明


会員の皆さん 牧野です。

重大な事実が判明してきました。
法務省では、すでに、盗聴法を策定し、秘密裏に、検討を重ね、来春には国会 にて可決すると言うスケジュールで、インターネットの法規制を現実のものとし ています。電話の盗聴とともに、インターネットを盗聴の対象にしている事が明 記され、もはや、のんびりと構えていてはならない事態にきているようです。

インターネットの法的な規制問題は、アメリカの電気通信法の改正に関して、 フィアデルフィア連邦裁判所での違憲判断に見るように、表現の自由に深く根 差しているものであって、その意義はおおきなものがあります。また、通信の自 由、通信の不可侵は憲法上の絶対的な保障があり、我が国の電気通信事業法にお いても3条、4条にはっきりと明記され、尊重されています。

今回の法案は、法務大臣の諮問以前に、すでに出来上がっており、国民の知ら ないうちに密かに準備され、公にされず、関係者だけで秘密に討議を進めてきた ものです。なぜ、国民の目の届かないところで、秘密にするのでしょうか。本当 に、制定意義のある法改正、規制法ならば、なぜ、堂々と国民の目の前で行わな いのでしょうか。

この諮問も今回の選挙の直前に、選挙報道に隠れるタイミングで、出されまし た。明らかに、意図的と言うほかありません。
私は、深い憤りを感じています。なぜ、我々の知らないうちに、官僚だけで、 法律を作って、何も知らない政治屋の集まりの国会で、しゃんしゃんと手打ち して、こんな大事な規制をしようというのでしょうか。

アメリカでは、これまで何度も、盗聴法が提案されました。FBIは、違法な 盗聴を強行し、アメリカ国民の大きな反対を受けています。アメリカ国民は、表 現の自由に対し、毅然とした態度で、これを守ろうと努力し続けています。
米国国会では、盗聴法案はことごとく叩き潰されているのです。

我が国では、国民を騙して、秘密のうちに、事を運ぼうとしているのではない でしょうか。政府は、この盗聴法案が、国民の知るところとなったときには、国 民のおおきな反対がある事を知っているので、知らせないように進めているので しょう。

私たちは、インターネットを大好きで、より可能性を高め、活用しようと、集 いました。インターネットの可能性も、その限界も、又便利さとともに濫用によ る弊害がある事も知っています。そうした、いい面も、悪い面もともに考えなが ら、国民の英知を集めて、世界の市民の英知とともに、最も良い方向を探らなけ ればならないと考えています。一部のインターネットを利用してもいないような 官僚が決める事ではありません。

インターネット弁護士協議会は、今ある法律の豊かな情報を市民に伝え、より 豊かな生活を支えるとともに、これからもこうした情報の伝達が、人権の擁護が 表現の自由が守られるような法律の制定に対しても積極的に発言すべき立場にあ るのではないでしょうか。こうした法律案がすでにある事を多くの国民、市民に 伝え、又、世界に発信して、人々の意見、反論、疑問を政府に伝える必要がある でしょう。法律に関心のある我々が、問題点を指摘して、きちんと対処する必要 があると思います。

このメールには、法務省の法案を添付します。盗聴法に関する一部分だけです が、至急ご検討ください。

先日の声明文は未公表なので、さらに充実させて、発表したいと思います。
皆さんのご意見をお願いいたします。
牧 野



[ilc 458]盗聴法案です


    「  法務省刑事局検討案  」


第一  組織的犯罪に関する刑の加重

第二  犯罪収益等の運用等の処罰

第三  犯罪収益等の没収及び追徴の拡大

第四 令状による通信の傍受

 ―  傍受の要件等

  1  傍受の要件

  (1)検察官又は司法警察員は、次の各号のいずれかに該当する場合において、
     犯人により、犯罪を実行し又は実行することに関連する通信(全部又は一
     部が有線によって行われる電話通信、ファクシミり通信、コンピュータ通
     信その他の電気通信をいう。以下同じ。)が行われると疑うに足りる状況
     があり、かつ、犯人を特定し又は犯罪の状況若しくほ内容を明らかにする
     ため他に適当な方法がないと認められるときは、通信当事者のいずれの同
     意もない場合であっても、裁判官の発する令状により、犯罪を実行し又は
     実行することに関連すると思料される通信を傍受するこセができるものと
     すること。      

    ア 死刑、無期懲役若しくは無期禁掴の定めのある罪又は別表5に掲げる罪
      が犯きれたと疑うに足りる充分な理由がある場合において、当該犯罪が
      数人の共謀によるあらかじめの計画に基づくものであると疑うに足りる
      状況があるとき。

    イ アに掲げる犯罪が反覆して犯きれており、かつ、更に反復して犯される
      と疑うに足りる充分な理由がある場合において、数人の共謀よるもので
      あると疑うに足りる状況があるとき。
    
    ウ ある犯罪がアに掲げる犯罪の実行のために必要な行為として行われ、当
      該アに掲げる犯罪が行われると疑うに足りる充分な理由がある場合にお
      いて、当該アに掲ける犯罪が数人の共謀によるものであると疑うに足り
      る状況があるとき。

  (2)(1)の傍受は、被疑者が設置し若しくは使用している電話その他の通新
     設備その他傍受の対象となる犯罪の実行に関連する通信が行われると願う
     に足りる通信設備につき行うことができるものとすること。
    
  (3)傍受令状は、検察官(一定の範囲に限る)又は司法警察職員(一定の範囲
     に限る.)の請求により、裁判官(地方裁判所の裁判官に限る.)が、傍
     受ができる期間として10日以内の期間を定めて.これを発するものとす
     ること。

  2 傍受令状の記載事項

    傍受令状には、被疑者の氏名、罪名、傍受すペき通信、その通信が行われる
    電話の番号その他傍受の対象とすベき通信設備を特定するに足りる事項、傍
    受の方法及ぴ揚所、傍受ができる期間、通信の傍受に関する条件、有効期間
    及ぴその期間経過後は傍受令状による通信の監視(傍受のための機器を準備
    し又は設置して、直ちに傍受することができる状態で、傍受の対象とする通
    信設備において傍受すペき通信が行われるか否かを監視することをいい、現
    に傍受を行っている場合を含む。以下同じ。)に着手することができず令状
    はこれを返還しなけれぱならない旨並ぴに発付の年月日その他最高裁判所の
    規則で定める事項を記載るものとすること。

  3 傍受ができる期問及ぴその延長等

    裁判官は、必要があると認めるときは、検察官又は司法警察員の請求により、
    10日以内の期間を定めて傍受ができる期間を延長することができるものと
    し、傍受ができる期間は、通じて30日を超えることができないものとする
    こと。

  4 傍受令状の再発付

    裁判官は、同ーの犯罪事実に関し同ーの通信設備について前に傍受が行われ
    た場合において、更に傍受を行うことを必要とする特別の事情があると認め
    るときは、検察官又は司法警察員の請求により、傍受令状を発することがで
    きるものとすること。

 ニ 傍受の実施

  1 必要な処分等

  (1)通常の傍受については、傍受のための機器の設置又は操作その他必要な処
     分をすることができるものとすること。ただし、通信事業者又はその他の
     通信回線設備を設置する者(以下「通信事業者等」という。)の管理に係
     る場所で傍受を行い又は傍受のための機器を設置する場合を除き、人の住
     居又は人の看守する邸宅、建造物もしくは船舶内に、住居主若しくは看守
     者又はこれらの者に代わるペき者の承諾なく立ち入ることはできないもの
     とすること。

  (2)検察官又は司法警察員は、通信事業者等に対して、通信の傍受に関し、必
     要な協カを求めることができるものとし,通信事業者等は、正当な理由な
     くこれを拒んではならないものとすること。

  2 令状の呈示等

  (1)傍受令状は、傍受すペき通信に係る通信事業者等若しくはその役職員又は
     これらの者に代わるぺき者に示きなけれはならないものとすること。

  (2)傍受令状により通信の監視をするときは、傍受すペき通信に係る通信事業
     者等若しくはその役職員又はこれらの者に代わるべき者を立ち会わせなけ
     れぱならないものとし、これらの者を立ち会わせることができないときは、
     地方公共団体の職員を立ち会わせなけれぱならないものとすること。この
     場合において、監視の期間が長期にわたり立会人に常時立会いを求めるこ
     とができないときは、少なくとも通信の監視の着手時と終了時には立会人
     を立ち会わせなけれぱならないものとすること。

  3  該当性判断のための傍受等

  (1)傍受すペき通信として令状に記載されたものに該当するか否か明らかでな
     いときは、これに該当するか否かを判断するために必要な範囲でその通信
     を傍受することができるものとすること。

  (2)医師、歯科医師、助産婦、看護婦、弁護士(外国法事務弁護士を含む)、
     弁理士、公証人、宗教の職にある者(傍受令状に被疑者として記載されて
     いるものを除く)との間の通信であって、その職務に関するものは傍受し
     てはならないものとすること。

  (3)傍受令状により傍受をしているときに、その傍受に係る犯罪以外の犯罪を
     実行し又は実行することに係るものと明らかに認められる通信が行われた
     場合には、これを傍受することができるももとすること。

  4 相手方の通信設備を特定する事項の探知
    通信の傍受にあたって、傍受に係る通信の相手方の電話番号その他通信設備
    を特定する事項を探知するには、別に令状を必要としないものとすること。

  5  傍受記録の保存等
         
  (1)傍受した通信は、すペて、録音その他通信の性質に応じて適切な方法によ
     り記録するものとし、傍受した通信を記録した物(以下「傍受記録」という)
     については、傍受令状による通信の監視の終了後、速やかに、立会人にそ
     の封印を求めなけれぱならないものとすること。

  (2)立会人が封印した傍受記録は、保管用原本として、傍受令状を発付した裁
     判官が所属する裁判所の裁判官に提出し、その裁判官においてこれを保管
     するものとし、検察官又は司法警察員は、刑事手続に使用するため、犯罪
     の実行に関連する通信以外の通信を削除した傍受記録の複製物を作成すも
     のとすること。

  (3)裁判官は、検察官、司法警察職員、傍受された通信の当事者その他の関係
     人の請求があった場合において、正当な理由があると認めるときは、その
     全部若しくは一部を聴取若しくは閲覧させ、又はその全部若しくは一部に
     つき複製物を作成させるものとすること。

  6  裁判官に対する報告等

    裁判官は、傍受令状を発付したとき又は傍受ができる期間を延期したときは、
    適当と認める時期を定めて通信の監視の状況の報告をもとめるものとし、必
    要と認めるときは、傍受記録の提出を求めることその他必要な措置を採るこ
    とができるものとすること。

 三  通知及ぴ不服申立

  1 通知

  (1)傍受令状による傍受を行った者は、当事者の一方に対し、令状発布の事実
     等を通知する.

  (2)通知は、傍受令状による通信の監視の期間終了後30日以内にこれを行わ
     なければならないものとすること。

  (3)通信の当事者は、傍受記録の複製物のうち自己の通信に係る部分を聴取し
     又は閲覧することができるものとすること。

  2 不服申立の手続きを規定する。



[ilc 466]代表声明文

会員の皆さん 牧野です

昨日の、法案は見ていただいたでしょうか。

内容の検討は、さらに進めなければならないのですが、こうした法案が、なぜ 国民に知らされず、法案を検討した後で、「諮問」するなどと言う本末転倒が許 されるのでしょうか。

暴力団の犯罪を取り締まるのは当然です。その法案も必要でしょう。しかし、 国民に隠れて、法案を作るというのは、国民への裏切りでしょう。特に、インタ ーネットも含んだ、通信全般への「通信の傍受」行為は、インターネットと言う国 際的な情報流通メディアに対する規制であり、しっかりと議論しなければなりま せん。

とくに、今回の内容は、通信の秘密という重要な権利を侵害する危険があり、 検閲禁止に規定に抵触する危険、表現の自由に対する侵害の危険、現行の電気通 信事業法に違反する危険など、議論されるべき内容を多く含んでいます。

これを、このままにすると言う事は、法律家としても、国民としても、決して よい事ではないでしょう。

先日の「声明文」に更に手を加えました。本日私の責任で、公表したいと思いま す。氏名の後に、(代表声明)と明記して、会の正式な表明、提言とは区別いた します。

会員の皆さんのご検討をお願いいたします。
牧 野



    インターネット法規制に対する声明文
                                 1996年10月16日
                     インターネット弁護士協議会 
                          代表  牧 野 二 郎
                                                                 (代表声明)
 10月6日、各新聞紙上において、法務省が組織的犯罪に対する規制の強化の法案
が必要だとして、法務大臣が同8日にも法制審議会に諮問すると報道された。さらに
法務省は10月8日に諮問した後、諮問の結果も出ていない現段階で、早々と来年3
月には国会提出をおこなうと公言している。

  右諮問の内容は規制の一環として、電話の盗聴、インターネットの盗聴などを認容
する内容を持ち、憲法上の保障のある通信の秘密や、表現の自由、検閲の禁止との関
係で、きわめて重要な人権問題となる事は明らかである。この重要性は、各新聞社が
社説などによって、こぞって指摘している通りである。
  
  
 インターネット問題に関して、国民の関心は次第に高まり、その重要な役割の評価
と共に、問題点の指摘もなされつつある。我が国においては、いまだインターネット
の経験は浅く、インターネットの功罪について、十分な分析、認識がなされていない。
 刑事犯に関する捜査方法に関しても、手探り状態にあり、電気通信事業法に違反す
る捜査が行われているという指摘もなされ、捜査方法の適正運用の方向を確立する必
要性は高い。

 しかも、インターネットの最も大きな特徴は、国境をも越えて、情報の交流が自由
となるという点であり、ここから、各国の独自の法体系では対応しきれないと言う現
実がある。国内での盗聴は、国内問題にとどまらず、国際的な通信の盗聴になるとい
う性格を、必然的に持たざるをえない。
  国内の問題に関しては、国内での適用の方法など検討すべき点は多いが同時に、国
際的な観点で、インターネット上での情報の流通を阻害しない、国際的な人権侵害を
引き起こさないといった、国際的な、適正なルール作りが求められている。

 法務省が、インターネットに対し、法的対策を検討することは国民の権利保護の観
点からも必要ではあるが、インターネットに対する理解が未成熟のまま、慎重な検討
なくして規制のみを急ぐことは、過度の法規制や間違えた規制となる危険がある。

  
  今回の法規制問題に関しては、より重大な問題がある。
  法務大臣が諮問をして、審議され、法案の作成準備と進むはずのものが、諮問の前
に、法案が出来ているという事実である。正式名称は「法務省刑事局検討案」という
もので、「通信傍受」 として詳細な内容がすでに出来上がっているのである。この法
案は、この夏ころには関係者に配布され、一部訂正の上、この内容で成案化され、国
会に提出される事になっているという。
  国民には見えないところで、このような精緻な法案策定作業を進め、法務大臣の諮
問の前に、法案が出来ているというのは、一体どういうことなのか。国民の民意を問
うことなく、秘密のうちに法案を作成して、突然国会に提出するというのは、国会軽
視、国民軽視なのではないか。


 インターネット弁護士協議会は、インターネットの情報交流の機能を高く評価し、
市民の情報の流通にとって極めて重要な情報伝達手段であるとの認識を持つに至って
いる。この情報伝達の機能を損なうことなく、適正なルールを確立することは必要で
ある。しかし、そのルールは市民の総意に基づくものでなければならず、ルール化の
議論は、広く公開された場で、行われなければならないと考えている。

 インターネット弁護士協議会は、法務省に対し、次のことを質問する。

 1 「法務省刑事局検討案」は法務省の作ったものか。
       いつ、いかなる目的で作ったのか。
       法案作成について、学識経験者、法律専門家、弁護士会、通信事業者、消費
     者に意見聴取した事はあるのか。
  
  2   今後、法制化の議論を、全て公開し、学識経験者、法律専門家、弁護士会、
     通信事業者、消費者の意見を聞き、法制化を進める予定はあるか。

 3  法案作成に対し、国民の意見を述べる機会は、あるのか、ないのか。あると
     すればどのような方法か。

 法務省は、これまでインターネットを利用した情報の開示を行ってこなかった。
 今月に入って、初めて、ホムページを利用した情報の開示を始めた。
 他の、内閣総理大臣を始め、各省庁が、インターネット、とりわけホームページに
よる情報の開示を積極的に利用する中、法務省のインターネットに対する消極的な姿
勢は際立っていた。
  インターネットへの評価も、その果たす役割の重要性の認識もほとんど無いままで、
国民に隠れて、憲法に抵触するような法規制を進めるのは、国民の総意に反するもの
であることを認識してもらいたい。
               

 以上。



[ilc 476] Re:代表声明文

牧野二郎様

 こうした形でタイムリーに声明を出すことには基本的に賛成です。ただし、 これ以上、牧野さんの多忙さに輪をかけることにならなければ、の条件つき ですが。

 文面はもう少し精読してみます。とりあえず賛意を表明します。

|立山紘毅@山口大学経済学部



[ilc 482] Re:代表声明文

jirou makino  さんは書きました:

>This is a multi-part message in MIME format.
>
>--------------4E3775F45D7C
>Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp
>Content-Transfer-Encoding: 7bit
>
>会員の皆さん   牧野です
>
>  昨日の、法案は見ていただいたでしょうか。

組織犯罪対策立法について、ですが、本日、日弁連の民暴委員会で、 議論の進行について聞いてきました。
民暴委員会からは、弁護士会の各単位会あてに、ご意見を およせいただきたいという話がいくと思われます。
この締め切りは、大体、12月上旬までに皆さんのご意見をうかがいたい ということになるそうです。

で、私の意見ですが、この法案自体が、できているという手続きの点は、 たしかに民訴法改正のように公開してなされるべきものだったような気も します。その点で、法務省が独断先行のきらいがあるという点は、そのと おりかもしれません。しかしながら、通信の傍受にかんしていえば、すで にある判例の立場を法制化するのであって、その態度は用件の明確化とい う観点からほめられるべきこそあれ、批判されるべき筋合いではないでし ょう。
ですから、今回の組織犯罪対策立法を「盗聴法案」というかたちで、ひとく くりにする議論には、賛成できません。すくなくても、従来の電話等に対する 傍受については要件の限定もあり、いい規定だと思います。
日弁連のなかでは、刑事法制委員会あたりだと、なんでも反対という方向で議 論するそうです。(「刑法改正」をつぶしたときとおなじ運動をするのだそうです。) 私としては、こんな態度では、組織犯罪に対する弁護士の認識の浅さが国民にわ かるだけだと思っています。(極端かもしれませんが、その法案に反対している人に対する「その間に第二、第三のオウムがハイテク武装をしていたらどうしますか」という市民の素朴な議論にどうこたえるのでしょう。)

私としては、この法案の通信傍受に関する規定の問題点は、きわめて、現場の警察で 十分対応できるとはおもえない、そして、私達のようなパワーユーザーでも、あまり、 想像がおよばない、コンピューター間の通信について、十分な議論なしにこの傍受を認 めようとする点だとおもっています。
そうだとすると、私達の使命は、むしろ、組織犯罪による悪用を防ぐ形で、しかも我々の 通信の秘密を最大限確保する形で、そして、現場の警察官(裁判官などもそうでしょう) が、コンピューターについての誤解と無知をもとに、無意味な規制にでないように(たとえば、この前のリンクだけで猥褻としたのはこの誤解と無知によるものでしょう)することではないでしょうか。
とにかく、傍受ができる、インターネットの規制だ、反対というのは、説得力を欠くものですし
また、なんら議論として生産的ではないでしょう。私としては、11月中に上の立場から、意見 まとめて、発表するつもりです。
わたしもネットワークを愛しています。でも、この事についてなんでも反対することがネットワ ークを愛することに繋がるとも思っていません。
霞ヶ関の地下鉄の駅長さんは、サリンアタックで、非業の死をとげられました。にどどあんなひどい テロを許すことはできないのです。だとすれば、社会のなかで、ネットワークが、特権をあたえられ るわけではないことは言うまでもないことでしょう。
私の意見書は、できる限りメールで皆さんの意見を聞けるように公開したいとおもいます。
もし、協力いただけるかたがいられれば幸いです。

高橋郁夫



[ilc 486] Re:代表声明文

牧野です。高橋さんの見解に対する、私の見解です。
 
> 組織犯罪対策立法について、ですが、本日、日弁連の民暴委員会で、
> 議論の進行について聞いてきました。
> 民暴委員会からは、弁護士会の各単位会あてに、ご意見を
> およせいただきたいという話がいくと思われます。
> この締め切りは、大体、12月上旬までに皆さんのご意見をうかがいたい
> ということになるそうです。
>
> で、私の意見ですが、この法案自体が、できているという手続きの点は、
> たしかに民訴法改正のように公開してなされるべきものだったような気も
> します。その点で、法務省が独断先行のきらいがあるという点は、そのと
> おりかもしれません。

       まず、この法案が諮問される前から出来ていたと言う事は、その程
     度の、「フライング」程度の簡単な事なのでしょうか?私の問題意識は、
     先ずこの点です。
       法務省と、それに関連する部分が、国民の目の前で議論するのでは
     なく、「こそこそ」と隠れるようにして、立案するというのは、一体ど
     ういうことなのか、という事です。

       特に、この問題は、憲法第21条の検閲禁止、通信の秘密という基
     本権に関わるものですから、とりわけ慎重に議論すべき問題ではない
     でしょうか。又、電気通信事業法の3条4条に対し、大きく矛盾する
     事が明らかですから、基本的にはその法律の改正すら必要となる、と
     いうほどに、重要な問題です。
       法律家は、既存の法体系の中で、国民の合意を得ながら、可能な限
     りの努力をするべきなのであり、常にその努力が必要なのでしょう。

       
       日弁連の民暴委員会は、何を議論するというのでしょうか?まず、
     法務省は法案をきちんと弁護士会に示したのでしょうか?法案が、夏
     頃から議論され、出来ていながら、弁護士会に示していないのでは、
     行ったいなにを素材に議論するというのでしょうか。
       今の時点で弁護士会から一般会員に正式に出されているのは、
     「諮問案」だけのはずです。それ以外は、会員には公開されていません。
       こうした状況で、何を議論するのでしょうか。弁護士会は法案の存
     在を知っているのでしょうか。まさか、この法案をいっしょに作って
     いるのではないでしょうね。そういう話しも聞くのですが?

       ともかく、まず、憲法上の問題に関わるものですから、慎重に議論
     を重ねる必要がある事は、当然の事であり、そこからきちんとえりを
     正させるべきなのではないでしょうか。声明の意味はそこにあります。


しかしながら、通信の傍受にかんしていえば、すで
> にある判例の立場を法制化するのであって、その態度は用件の明確化とい
> う観_からほめられるべきこそあれ、批判されるべき筋合いではないでし
> ょう。

       確かに山梨県での覚醒剤捜査に伴う令状による「傍受」「盗聴」が
     裁判所で認められました。しかし、これを確定した「判例」として扱っ
     てよいかは議論のあるところです。この点では、自由と正義で、特集
     を組んで、議論しましたが、私の認識では議論はいまだ固まってはい
     ないと思います。弁護士会でも議論すべきものが多くあり、簡単では
     ないのですから、我々よりもよほど専門である、憲法学者、刑法学者
     刑事訴訟法学者の方々の、専門的意見を十分に聞く必要があるのです。

       加えて、高橋先生はよくご存知の通り、アメリカではこうした盗聴
     行為、「ワイアータッピング法案」FBIが何度も国会に提出したが、
     常に連邦憲法に違反すると言う理由で否決されていますね。
       国際的に見ても、大変困難な問題であって、そう簡単に認められる
     性格のものではないのです。


> ですから、今回の組織犯罪対策立法を「盗聴法案」というかたちで、ひとく
> くりにする議論には、賛成できません。すくなくても、従来の電話等に対する
> 傍受については要件の限定もあり、いい規定だと思います。

       法案が正式に発表されていないうちに「要件の限定もあり、いい規
     定だと思います。」などというのはやめましょうよ。正式に発表され
     るものは、別のものかもしれません。今は、私の入手した法案を研究
     するほかないのですから、それをしっかりと吟味する必要があって、
     昨日の今日で、いいとか悪いとかは、軽軽に言えないのではないかと
     思います。この点は、ぜひ、法律専門部か、規制法検討委員会といっ
     た形で議論しましょう。
       両論併記の原則ですから、対立点を明確にする事は会にとって良い
     ことですから、どんどんやりましょう。



> 日弁連のなかでは、刑事法制委員会あたりだと、なんでも反対という方向で議
> 論するそうです。(「刑法改正」をつぶしたときとおなじ運動をするのだそうです。)
> 私としては、こんな態度では、組織犯罪に対する弁護士の認識の浅さが国民にわ
> ゥるだけだと思っています。(極端かもしれませんが、その法案に反対している人に対する
> 「その間に第二、第三のオウムがハイテク武装をしていたらどうしますか」という市民の素朴な
> 議論にどうこたえるのでしょう。)

        高橋先生。ここは聞かなかった事にしましょう。
        よくないのでは?  我々は弁護士会の中のごたごたを、感情論を
      この会に持ち込むのはやめましょう。
        皆さんといっしょに、地に足のついた、偏見のない議論をしたい
      と思います。感情論に押し流されず、人類の将来を考えながら、我
      々なりの議論をすればいいのではないでしょうか。
        
        オウムの件ですが、1昨日の日弁連のシンポジウムでも松本サリ
      ンの最初に嫌疑をかけられた河野さんは、自分に対する一時的な反
      感や感情論は多くの人の理性を失わせ、河野さんを「抹殺せよ」と
      いった世論を背景に、警察による異常なことがあった事実を体験を
     もとに話されていました。
       人間は、感情の動物ですから、時として、行き過ぎをしてしまう
     ものです。法は、これに対し、常に冷静で、過ちの無い物でなければ
     ならないはずです。そうあるべき法自体が、感情論に基づくものであ
     ったとき、真理はどこに行ってしまうのでしょう。魔女狩りが始まら
     ないと誰が保証できるでしょうか。魔女にされかけた河野さんが、警
     察に抵抗して、世論に抵抗してがんばったからこそ、オウムの真の犯
     罪が暴かれたともいえるでしょう。
       今回の盗聴に関する法案は、オウムの事件と暴力団事件とが動機と
     いわれています。国民の感情論に乗りやすいと言う、典型例です。な
     おさら、感情的にならないよう、冷静な判断が必要でしょう。


>
> 私としては、この法案の通信傍受に関する規定の問題点は、きわめて、現場の警察で
> 十分対応できるとはおもえない、そして、私達のようなパワーユーザーでも、あまり、
> 想像がおよばない、コンピューター間の通信について、十分な議論なしにこの傍受を認
> めようとする点だとおもっています。
> そうだとするとA私達の使命は、むしろ、組織犯罪による悪用を防ぐ形で、しかも我々の
> 通信の秘密を最大限確保する形で、そして、現場の警察官(裁判官などもそうでしょう)
> が、コンピューターについての誤解と無知をもとに、無意味な規制にでないように(たとえば、
> この前のリンクだけで猥褻としたのはこの誤解と無知によるものでしょう)することでは
> ないでしょうか。

        おっしゃるとおりこの点が問題です。
        しかし、高橋先生、なぜ12月までなのですか。
        なぜ、来春には国会で可決しなければならないのでしょう。

        私にはそこがわからないのです。制定する事も内容も決まっていて、
      ただ、その間は自由に発言してもいいよ、というのが、議論でも、審議
      でもないのではないでしょうか。そういう、結論が決まっていて、ただ
      話すというのは、あまりに空虚です。我々は、立法者でしょう。国権を
      持っているのは、国民なのではないですか。我々みんなで議論して、立
      案する必要があるでしょう。それは、夏になろうが、来年の冬になろう
      が、いいはずです。しっかりとした議論をしましょう。



> とにかく、傍受ができる、インターネットの規制だ、反対というのは、説得力を欠くものですし
> また、なんら議論として生産的ではないでしょう。私としては、11月中に上の立黷ゥら、意見
> まとめて、発表するつもりです。


           そうですね。みんなで議論しましょう。



           そこで、皆さんに提案です。
           憲法学者、刑法学者、刑事訴訟法学者の皆さんに、意見書を作ってもら
         うように、我々が中心になって動きましょう。幸い、大学の先生がおおく
         参加されていますから、好都合です。
           寺中さんは、犯罪学や、刑法学のご専門ですね。お顔も広いのではない
         でしょうか。警察の現場の方の意見もぜひ聞きたいですね。
           プロバイダーの皆さんのご意見も必要でしょう。

           
   法案を、法務省からきちんと受け取る事も必要です。その法案を、専門家として
 分析し、きちんと検討する事、そうしたことを、すべて公開する事、それこそ、イ
 ンターネットによってはじめて出来る事でしょう。われわれは、オープンに、この
 問題をぎろんしていきましょう。

   多少真剣に考えてみる必要のある問題と思い、長くなりましたが、メールしました。
                                                                    牧  野



[ilc 489] Re:代表声明文

In message <3265081E.193F@asahi-net.or.jp>
   "[ilc 486] Re: 代表声明文"
   "jirou makino " wrote:

>
>
>        特に、この問題は、憲法第21条の検閲禁止、通信の秘密という基
>      本権に関わるものですから、とりわけ慎重に議論すべき問題ではない
>      でしょうか。又、電気通信事業法の3条4条に対し、大きく矛盾する
>      事が明らかですから、基本的にはその法律の改正すら必要となる、と
>      いうほどに、重要な問題です。
>        法律家は、既存の法体系の中で、国民の合意を得ながら、可能な限
>      りの努力をするべきなのであり、常にその努力が必要なのでしょう。
>
この法案の問題は重大であり、公開の議論が必要であるというのは 大賛成です。(でも、民訴の改正のときのシステムがわが国ではきわめて 例外とされているのですから、法務省はどうしたものか。民訴のときは のんびりと論文を書いたりできたのですがね)

        
>        日弁連の民暴委員会は、何を議論するというのでしょうか?まず、
>      法務省は法案をきちんと弁護士会に示したのでしょうか?法案が、夏
>      頃から議論され、出来ていながら、弁護士会に示していないのでは、
>      行ったいなにを素材に議論するというのでしょうか。
今日の民暴委員会で質問したところ、この法務省の案については、 公表することはできない(取り扱い注意)ということでした。公式の物とし ては、次の法制審議会に、法務省から「たたき台です」と提出されて、公 のものになるということです。いうまでもないですが、この案については、 先週の7日の段階で、委員(私も含む)の手元にきています。

        こうした状況で、何を議論するのでしょうか。弁護士会は法案の存
>      在を知っているのでしょうか。まさか、この法案をいっしょに作って
>      いるのではないでしょうね。そういう話しも聞くのですが?
>
刑事法制委員会では、合宿して検討していますね。


         高橋先生。ここは聞かなかった事にしましょう。
>         よくないのでは?  我々は弁護士会の中のごたごたを、感情論を
>       この会に持ち込むのはやめましょう。
私としては、感情論だとは思っていません。むしろ、全面的な否定論が、 ネットワーク関係での本質的な問題点を隠してしまうのではないか、と 考えています。
(もっとも私自身、弁護士会の体質についていけない点が表現に出てきて しまうので、感情論に聞こえるのでしょうか。そうだとすれば反省します)


>        今回の盗聴に関する法案は、オウムの事件と暴力団事件とが動機と
>      いわれています。国民の感情論に乗りやすいと言う、典型例です。な
>      おさら、感情的にならないよう、冷静な判断が必要でしょう。
>
でも、世界的には、テロの凶悪化、拡大現象は、もっとも重大な問題になってきてますし、 また、わが国での暴力団の凶悪化、組織化、隠蔽か、そして、企業トップ へのテロなど、組織犯罪の問題点についての認識はしすぎて足りないことはないと思っ ています。
 
        おっしゃるとおりこの点が問題です。
>         しかし、高橋先生、なぜ12月までなのですか。
>         なぜ、来春には国会で可決しなければならないのでしょう。
>
とにかくこの法案がネットワーク関係では重大な問題点を含むものであることは早く明 らかにしなくてはならないことははっきりしてますね。(ただ、一般の部分では、牧野さ んとは、意見が違いそうですね。そこは価値判断の相違という点もおおきいと思っている のですが)
、これは、G7での公約のひとつなわけですから、はやく国会を通そうということにな るわけで、それこそ、基本的に問題を詰めましょうといっている間に国会に上程されてし まえば、なかなか、ひっくりかえすのはむずかしくなるので、きちっとした議論は、はや ければはやいほどいいとおもいますよ。
 
>            そこで、皆さんに提案です。
>            憲法学者、刑法学者、刑事訴訟法学者の皆さんに、意見書を作ってもら
>          うように、我々が中心になって動きましょう。幸い、大学の先生がおおく
>          参加されていますから、好都合です。
>            寺中さんは、犯罪学や、刑法学のご専門ですね。お顔も広いのではない
>          でしょうか。警察の現場の方の意見もぜひ聞きたいですね。
>            プロバイダーの皆さんのご意見も必要でしょう。
>
とにかく、動きださないと、手遅れになってからでは、はじまりませんね。



[ilc 493] Re:代表声明文

牧野さん、高橋さん、こんにちは。
jirou makino  wrote:
>            そこで、皆さんに提案です。
>            憲法学者、刑法学者、刑事訴訟法学者の皆さんに、意見書を作ってもら
>          うように、我々が中心になって動きましょう。幸い、大学の先生がおおく
>          参加されていますから、好都合です。
問題点は二つありますね。まさに牧野さんと高橋さんで意見が違う部分。
Wiretappingの問題は刑事訴訟法学者の間でも問題ですし、意見がまとま るかどうかの予想はつきません。でもこれについては、まだしも意見書 を出してもらえると思います。

難しいのは牧野さんと高橋さんとが同意している問題点。コンピュータ 通信上の盗聴についてですが、今の刑事関係の方々がどこまでの知識が あるのかという点が要ですね。インターネットの危険性というのはかな り宣伝されてしまっていますから、妙な理解が横行しているのも問題だ し。
>            寺中さんは、犯罪学や、刑法学のご専門ですね。お顔も広いのではない
>          でしょうか。警察の現場の方の意見もぜひ聞きたいですね。
えっとお、警察関係にはさすがに顔は広くないです。
逆は多いんだけど。(^^;
現場の意見を反映させるような意見は聞いてみますが、ちょっと話した ある刑事法の専門家は、「オウムもあるし、仕方ないんじゃないの」と いうくらいの認識でした。もちろん一方で「とんでもない」と憤ってい る人もいます。

通信の秘密の問題もありますが(最近それでポカしちまった気もしてま すが)、捜査の必要性と、適用される犯罪類型の整理も一方で進めてお くべきかな、と思います。一般に、見つかりにくい犯罪(被害者なき犯 罪というのとは性格が違うとは思いますが)に対する、おとり捜査やコ ントロールド・デリバリーの理論と絡んでくると思います。刑訴は専門 外ですが、犯罪学としての検討が進んでいない部分でもあるし、ちょっ と考えてみます。


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▼▽(^^)/~ 寺中 誠 (てらまこ) (..)β"▲△



[ilc 499] Re:

 最近圧倒的な量のメールに目を通すだけで精一杯の状況ですが、組織犯罪 対策法関係で議論が起きているようですので、若干私見を述べます(何しろ ILC運営のための技術的な問題に貢献する能力が全くないので…。)。
Ikuo Takahashi wrote:
> 民暴委員会からは、弁護士会の各単位会あてに、ご意見を
> およせいただきたいという話がいくと思われます。
> この締め切りは、大体、12月上旬までに皆さんのご意見をうかがいたい
> ということになるそうです。
 どういう資料に基づいて意見を出すのですか?(法務省案非公開の中)  しかも、締め切りが12月上旬というのは理解不能です。今現在、弁護士会 の中で議論が進んでいるわけでもないのに、どうしてスケジュール優先に なるのでしょうか? 一弁護士会員としてはブラックボックスの中で事態が 進行しているとしか思えません。法務省のスケジュールに合わせているのでは という疑念を持たざるを得ませんが…。
 インターネットというメディアのいいところは、例えば、取扱注意の法案が いつの間にかアップされていて、国民の知る権利に奉仕してしまうようなところ にこそある、と私は信じます。
 
> で、私の意見ですが、この法案自体が、できているという手続きの点は、
> たしかに民訴法改正のように公開してなされるべきものだったような気も
> します。その点で、法務省が独断先行のきらいがあるという点は、そのと
> おりかもしれません。しかしながら、通信の傍受にかんしていえば、すで
> にある判例の立場を法制化するのであって、その態度は用件の明確化とい
> う観_からほめられるべきこそあれ、批判されるべき筋合いではないでし
> ょう。
 もともと判例の当否そのものが問題とされています。判例を絶対視するのなら 弁護士の存在意義などないと思います。
 また、要件の明確化といっても、法で決められた要件を一貫して厳格に守る 意思を見せない令状実務の実状からして、お墨付きを与えてしまうこと自体の 恐ろしさを考慮しないのは納得できません。
 法で認められていないにも関わらず盗聴という手段を用いてきた警察、それを 理屈をこねくり回して許容してきた裁判所の体質からすれば、法で認めてしまえ ば、無限に拡大解釈、拡大適用を積み重ねていくおそれが極めて高いと考えます。
> ですから、今回の組織犯罪対策立法を「盗聴法案」というかたちで、ひとく
> くりにする議論には、賛成できません。すくなくても、従来の電話等に対する
> 傍受については要件の限定もあり、いい規定だと思います。
 「ひとくくりにする議論」というレッテル貼りはフェアでないと思いますが。
 ともかく、盗聴が正面から認められているというその1点で法案に反対することも 十分理由がある態度だと思います。
> 日弁連のなかでは、刑事法制委員会あたりだと、なんでも反対という方向で議
> 論するそうです。(「刑法改正」をつぶしたときとおなじ運動をするのだそうです。)
> 私としては、こんな態度では、組織犯罪に対する弁護士の認識の浅さが国民にわ
> ゥるだけだと思っています。(極端かもしれませんが、その法案に反対している人に対する
> 「その間に第二、第三のオウムがハイテク武装をしていたらどうしますか」という市民の素朴な
> 議論にどうこたえるのでしょう。)
 ここでいわれている「組織犯罪」とは何ですか? それは、刑法で規定する「犯罪」とは 全く別個独立のカテゴリーなのですか?  「組織」とは何ですか? 破防法で規定されている「団体」のことですか? 「団体のためにする行為」を構成要件とすることの当否が、今正に、憲法問題として深刻に争われています。
 法律家が刑事を語るときに、厳密に定義されていない、もしくは、そもそも定義し得ない用語を用いて議論すべきではないと思います。それが罪刑法定主義の第一歩です。
 まして、「第二、第三のオウム」などという扇情的な議論を根拠にすることは、法務官僚の世論誘導の手法としてはあり得ても、法律家のすべきことではないと考えます。
 なお、「ハイテク武装」の意味が分かりませんので、教えて下さい。
 「武装」であれば既存の法規で十分取り締まれます。
 坂本弁護士事件が長らく解決せず、結果として地下鉄サリンにつながっていったという 経緯からすれば、既存の法規を真面目に適用してこなかった警察が、既存の法規の不十分性を言い立てるのはデマゴギーとしか思えません。
 坂本弁護士の所属していた事務所が公安による盗聴に対する国家賠償請求事件を担当 していたため、警察が坂本事件の捜査をサボタージュした疑いが強いことが指摘されていますが、警察がオウム事件を根拠に盗聴の必要性を主張するとすれば、ブラックユーモアとさえ思えます。
> 私としては、この法案の通信傍受に関する規定の問題点は、きわめて、現場の警察で
> 十分対応できるとはおもえない、そして、私達のようなパワーユーザーでも、あまり、
> 想像がおよばない、コンピューター間の通信について、十分な議論なしにこの傍受を認
> めようとする点だとおもっています。
> そうだとするとA私達の使命は、むしろ、組織犯罪による悪用を防ぐ形で、しかも我々の
> 通信の秘密を最大限確保する形で、そして、現場の警察官(裁判官などもそうでしょう)
> が、コンピューターについての誤解と無知をもとに、無意味な規制にでないように(たとえば、
> この前のリンクだけで猥褻としたのはこの誤解と無知によるものでしょう)することでは
> ないでしょうか。
 私はコンピューター間の通信の技術的なことには全くの素人ですので、現場の警察官や裁判官と同レベルですから、上記のような「使命」を果たすことはできそうもありません。
 私はあくまで一弁護士の立場でしか検討できませんし、ILCの使命を上記のように限定すべき理由も分かりません。
> とにかく、傍受ができる、インターネットの規制だ、反対というのは、説得力を欠くものですし
> また、なんら議論として生産的ではないでしょう。私としては、11月中に上の立黷ゥら、意見
> まとめて、発表するつもりです。

 ご意見を是非お願いいたします。拝見して、勉強させていただきます。

> わたしもネットワークを愛しています。でも、この事についてなんでも反対することがネットワ
> ークを愛することに繋がるとも思っていません。
> 霞ヶ関の地下鉄の駅長さんは、サリンアタックで、非業の死をとげられました。にどどあんなひどい
> テロを許すことはできないのです。だとすれば、社会のなかで、ネットワークが、特権をあたえられ
> るわけではないことは言うまでもないことでしょう。
 盗聴やインターネット傍受に反対することが地下鉄サリン事件を呼び起こすかのような 議論の仕方は、法律家としての議論の説得力を低下させると考えます。

-
福島 武司 Takeshi Fukushima



[ilc 508] RE:盗聴法案です

弁護士の藤本です。
大学時代は刑事訴訟法はロックアウトで授業がなく、司法試験でも刑事訴訟 法は選択せず、弁護士になってからも刑事弁護はやったことがない・・・と いうことで話題の「盗聴」法案について発言するのをためらっていたのです が、岡目八目ということもありうるかと思い、発言します。

今回の法案で私が、違和感をもっているのは、
傍受令状が出される要件として

>>
イ アに掲げる犯罪が反覆して犯きれており、かつ、更に反復して犯される と疑うに足りる充分な理由がある場合において、数人の共謀よるものである と疑うに足りる状況があるとき。

ある犯罪がアに掲げる犯罪の実行のために必要な行為として行われ、当該ア に掲げる犯罪が行われると疑うに足りる充分な理由がある場合において、当 該アに掲ける犯罪が数人の共謀によるものであると疑うに足りる状況がある とき
<<

というのが挙げられていることです。
私の感覚では、令状というのは、犯罪がすでにあって、それを捜査するため に出されるものなのですが、この傍受令状は、犯罪が行われる前に、防犯的 (?)に出されうるものなのですね。こういう令状というのは今までにもあ ったのでしょうか?

防犯的(?)な場合の要件を限定するために「共謀」という要件が使われて いますが、「共謀」とは、どのような具体的事実をいうのでしょうか(共謀 共同正犯否定ということでしか勉強をしたことがないもので私はこれをよく 知らないのです)? 特に、ネット上では、たとえばMLにあぶない奴が入 っているというようなことだけで「共謀であると疑うに足りる」ことになっ てしまうのでしょうか?


防犯的令状だということと関連するのでしょうが、傍受令状は、不利益を受 ける通信者本人にではなく

>> 2令状の呈示等
(1)傍受令状は、傍受すペき通信に係る通信事業者等若しくはその役職員 又はこれらの者に代わるぺき者に示きなけれはならないものとすること。
<<

というのも違和感があります。こういう令状は外にあるのでしょうか?
また、これと憲法38条の関係はどうなるのでしょうか?

司法試験受験生の方などに上記の点についてのレポートをいただけると有り 難いと思います。

Eisuke Fujimoto



[ilc 511] Re:盗聴法案です

 岩田@司法試験受験生です。

Eisuke Fujimoto wrote
 in [ilc 508] RE: 盗聴法案です:

 適格性に問題があるかもしれませんが、簡単にコメントなどを。

>私の感覚では、令状というのは、犯罪がすでにあって、それを捜査するため
>に出されるものなのですが、この傍受令状は、犯罪が行われる前に、防犯的
>(?)に出されうるものなのですね。こういう令状というのは今までにもあ
>ったのでしょうか?

 おっしゃるとおり、当該傍受は、刑事訴訟法上の捜査手続とし
て行われるものではなく、行政警察活動として行われるもののよ
うにも思えます。
 三2の不服申立も、行政不服審査法の特別法となるのでしょう
か。
 #裁判所への不服申立なら、刑訴法の特別法でしょうが。

 しかし、
> ―  傍受の要件等
>  1  傍受の要件
> (1)検察官又は司法警察員は、次の各号のいずれかに該当する場合において、犯人
     ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
> ア  死刑、無期懲役若しくは無期禁掴の定めのある罪又は別表5に掲げる罪が犯
>  きれたと疑うに足りる充分な理由がある場合において、当該犯罪が数人の共謀
     ^^^^^^
> イ アに掲げる犯罪が反覆して犯きれており、かつ、更に反復して犯されると疑
         ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^      
>2 傍受令状の記載事項                     
>   傍受令状には、被疑者の氏名、罪名、傍受すペき通信、その通信が行われる電話
                   ^^^^^^^^^^^^
 となっていますから、捜査のようにも思えます。

 うーん、両方含んでいるということですかねぇ?
> ―  傍受の要件等
>  1  傍受の要件
> (1)検察官又は司法警察員は、次の各号のいずれかに該当する場合において、犯人
>   により、犯罪を実行し又は実行することに関連する通信(全部又は一部が有線に
                     ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
 となっていますし。

 結局、社会的事実として、捜査機関が何らかの犯罪に関する情
報を得たときに、通信を傍受して調査したい、という場合につい
て広く傍受を認めようという法律ということでしょうか。

 なお、甲府の覚醒剤密売事件では、裁判例は、過去の犯罪につ
いての捜査だとしています。
  参照 東京高判平成4年10月15日

 ちなみに、刑事手続上の令状主義からは、過去の犯罪(罪を犯
したと思料される場合)について、令状が発付され(るとされて)
ます。

 そして、行政活動についての令状ですが、
  国税犯則取締法2条
  関税法121条
  証券取引法211条
  出入国管理法31条
 があるようです。(中身はわかりません)
  *行政法1(ローマ数字) 第2版 塩野宏 有斐閣 216ページ
   行政法総論講義 第2版 芝池義一 有斐閣 266ページ

>防犯的(?)な場合の要件を限定するために「共謀」という要件が使われて
>いますが、「共謀」とは、どのような具体的事実をいうのでしょうか(共謀
>共同正犯否定ということでしか勉強をしたことがないもので私はこれをよく
>知らないのです)? 特に、ネット上では、たとえばMLにあぶない奴が入
>っているというようなことだけで「共謀であると疑うに足りる」ことになっ
>てしまうのでしょうか?

 これについては、ちょっとわかりません。
 
>防犯的令状だということと関連するのでしょうが、傍受令状は、不利益を受
>ける通信者本人にではなく
(中略)
>というのも違和感があります。こういう令状は外にあるのでしょうか?

 このような令状があるかどうかはよくわかりません。

 刑事訴訟法上では、令状は処分の相手方に示すものとされてお
り、それ以外の者に示して足りるというのはかなり特殊なことと
思われます。
 もちろん、性質上相手方に示しては目的を達成できないので、
代替的なものとしたのでしょうが。

>また、これと憲法38条の関係はどうなるのでしょうか?

 むしろ、憲法35条との関係ではないかと思います。
 処分の相手方への令状の呈示が、憲法35条(令状主義)の要求
だとすれば、憲法違反ということになると思います。

>司法試験受験生の方などに上記の点についてのレポートをいただけると有り
>難いと思います。

 余計に混乱させてしまったとしたら、申し訳ありませんでした。



[ilc 527]盗聴に関する弁護士会の見解

牧野です。

  通信に対する盗聴を問題とする際、過去の盗聴に関する意見、成果を
踏まえるということは議論の整理という意味で、有効であると思います。
  日弁連人権擁護委員会の公式な報告書に一定の見解が示されています
ので、を簡単に見ておきましょう。

  1994年9月付け 「自由と正義」四六巻2号1995年2月号
 製造物責任法特集号 「ワイアータッピング問題調査研究委員会報告」

  この調査報告書では、@過去の判例研究、A学説の分析、B国際条約
との整合性、C外国での取り扱い、そしてD まとめ という構成をとり、
32頁にわたる立派なものになっています。

  まとめの部分のみ簡単にまとめると、
 1  電話盗聴は現行刑訴法上許容されない。
 2  電話盗聴は自由人権規約に違反する。
 3  立法の必要性に関しては「電話盗聴は、・・本質的に一般探索的、
    「地引き網」的性格を持たざるをえず、かつ、「処分の秘密性」
   (=密行性)がもたらす人権侵害の危険が存する。」
    「したがって、電話盗聴を立法化するにあたっても人権の保障と、
     捜査の必要性につき、多面的に検討し、真に立法の必要性がある
     か、議論を尽くさなければならない。」

     この点の証拠として、アメリカでの69年から3年間の盗聴事例
    73000人にわたる100万以上の会話の盗聴の結果、7200
    0名の人は、何らの犯罪とも関連がなかったことが、報告されてい
    る事実が挙げられている。

      また、山梨の覚醒剤事犯に関して、それまで、多数の逮捕者をだ
    し、起訴できていたのに、なぜ、91年になって、電話盗聴が必要
    になったのか、電話盗聴でなければ取り締りができなっかったのか
    疑問があるとされる。

      結論として、「現在の捜査手段では賄いきれない場合が生じてい
    るのかどうか、十分な検証が必要である、と。

 4  提言
     報告書は最後に提言として、
    @ 立法の必要性の判断は慎重になされるべきだ
         犯罪にどのような変化が生じているのか
         従来の捜査方法では対処しきれないという社会実態にあるのか
         盗聴が必要とされる犯罪に関する発生率、検挙率、有罪率
         海外の実例、有罪率など、盗聴の人員、費用、犯罪の抑制、盗
         聴の有効性、濫用の実態の比較衡量の判断が不可欠

    A 許容要件 19項目にわったって、詳細に提案している。
         犯罪の嫌疑の明白性
         
         長期間にわたった捜査でも実態がつかめず検挙できない、かつ、
       ほかに有効な手段がない
         
         証拠入手の蓋然性と、ほかの会話の盗聴の危険がほとんどない
       こと
   
         盗聴の事後通知   などなど。
  
     最後のまとめは、重要である。
   「  新規の立法については慎重な態度で望み、関連する資料が、国民に
     公表され、立法の必要性や許容の要件などにつき国民的合意が得られ
     た上で決定されなければならない」
    と。

  福島先生の指摘される坂本事件の捜査方法に関する疑問点、マスコミが騒
いでも証拠がない限り動こうとしない捜査実態、捜査能力の低下現象、など
など、現行での捜査のいいかげんさが目立つという点があります。

  これとちょうどリンクするように、「安直な」「地引き網的な」苦労なく
して全部を探れるという、痛み止めに対してモルヒネを打つような、安直な
対処策としてこの盗聴法案があるのではないか、という疑いがあります。モ
ルヒネを打つときは、激痛であることを、苦しい状況を見せ付けることで、
一瞬にして、正当化されたと錯覚するのです。その病気の元凶が何か、痛み
の原因は何か、体に最もよい治療法は何か、といった、分析と対処が必要な
ことは当たり前なのですが、苛立ちのなかではこの冷静な対処ができないの
です。

  本件立法の危険性は、苛立ちの中にあって、探索的な盗聴により、第二、
第三の河野さんが出ること、そして、無実の罪で有罪にされ、時に死刑にさ
れるという危険が充満しているという点です。そうしたことが起きないよう
に、国民的な議論を行って、慎重な判断がなされるべきであって、1か月や
2ヶ月で、弁護士だけが簡素な、ときに的外れな議論をしてすむというレベ
ルではないのです。

  私が、代表声明をだし、訴えたかったのは、国民の議論をきちんと行って、
この法案が、本当に意味のある、有効なものか、無実のものを追い込んで、
冤罪の温床とならないか、そうして点もきちんと議論すべきだと考えたから
です。
  各新聞社は、基本的に同様な趣旨の社説を掲げ、つまみ食いをするのでは
なく(日本経済新聞社社説)、基本的なところからの議論をすべきであると、
見解を発表しました。法律家である、われわれこそ、この法案の意味するも
の、必要性や、実態について、広く(反対論も賛成論も)議論を起こす必要
があるでしょう。
 
  幸い、インターネットという大変便利な手段がありますので、これを利用
して、議論を進めましょう。

  具体的には、各弁護士会、法律学者、政府関係者、知識人などに、法案の
原文をお送りして、分析していただくということでしょう。
  誰かが何かをやるはずだからなどというのではなく、われわれから議論を
始めましょう。

  次のメールで、具体的な提案を行いたいと思います。皆さんの議論をお待
ちします。


  なお、「自由と正義」をおもちでないかたには、コピーをお送りしますの
で、ご連絡ください。
                                                        牧  野


いわゆる盗聴法案の概要

法務省刑事局検討案(いわゆる盗聴法案)抜粋

組織的犯罪刑事法整備参考試案全文及び事務当局説明要旨

代表声明文1・法務省に対する質問書

法務省回答1

代表声明文2・法務省に対する質問書

法務省会見・内容報告

盗聴法案についての清見勝利会員の見解