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 判例落ち穂拾い
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第1回 【昭和63年(モ)第122号 決定】



決 定 書
昭和六三年(モ)第一二二号

決 定
    本籍 福岡県大牟田市**町
    住所 同市***町
    (破産宣告時 同市**町)
    破産者 ***
    昭和*年*月*日生
    右代理人弁護士 ***

    右の者に対する昭和五九年(フ)第二〇号破産事件につき、破産者からなされた免責の申立につき、当裁判所は次のとおり決定する。
主 文
    一、破産者に対し、各破産債権の元金の九八・五パーセント及びこれに対する利息、損害金はこれを免責する。
    二,その余の破産債権については、免責を許可しない。
理 由
    一,破産者、異議申立人丸山保太郎,同某並びに破産管財人からの意見聴取ないし尋問の結果、その他一件記録によれば、本件破産に至る経過、原因等につき次の事実が認められる。

    1(一) 破産者は、昭和二七年大牟田市**町*丁目の借家においてガリ版印刷の印刷業を始めた。昭和三〇年同市**町*丁目に平屋を購入し、昭和三七年には社屋を建て従業員数も四〇名を超えるまでになったが、福岡支店新設に失敗し、放漫経営から借金が累積した。
    (二) そこで、破産者は、昭和四〇年、本町の社屋を売却して債務を精算し、同市**町の借家に移転して営業を続け、印刷業界の機械化が進むのにあわせて、ほとんど借入金により写真植字機、オフセット印刷機などの導入などの設備投資を重ねたが、不況・過当競争のなか、思った程売り上げを伸ばすことができなかった。また破産者がPTAやライオンズクラブなどの公的役職を歴任するなかで、景気の動向や採算性等に充分考慮を払わず、無計画に借金したりの放漫、杜撰な経営をなしたこともあり、借入金も漸次増大する一方、昭和五二、三年には全額借金(二、三〇〇万円ー内五〇〇万円は運転資金に流用)で同市倉永に土地を購入して自宅を新築したこともあり、街の金融業者からのものも含め借入金の返済、金利支払いがいよいよ経営を圧迫するようになった。
    (三) 遅くとも破産宣告を受ける二〜三年前からは年間約五,〇〇〇万円の売り上げに対し、従業員十数名の人件費だけで年間約一,五〇〇〜二,〇〇〇万円かかるうえ、街の金融業者で割引いた融通手形の書換え金利、借入金の金利を年間二,〇〇〇〜三,〇〇〇万円負担する状態で、赤字が累積し、借金を繰り返すようになった。破産者においては、特段の資産はなく(前記**の自宅の土地・建物にはこれを購入する際の借金のための抵当権が付され、工場兼営業所は借家であり、結局印刷関係機械等の動産程度)、そのままでは倒産必至の状態にあったもので、取引先関係者にはこれを秘し、あたかも健全な経営がなされているかの如く装い、経営を継続していた。
    (四) その結果、破産者は約一億五,〇〇〇万円の負債を抱え、昭和五九年三月三一日第一回目の不渡りを出して倒産し、同年四月一八日自己破産の申立をなし、同年六月一一日破産宣告を受け、管財人が選任された。
    そして、昭和五九年七月三〇日の債権調査期日において届出債権のうち一億三,〇八〇万四,五七二円が異議なく確定した。
    その後、破産財団をもって破産手続の費用を償うに足りないものと認められ、債権者集会の意見を聴いたうえ、昭和六三年七月二九日破産廃止の決定がなされた。

    2, 破産者は倒産時、夜逃げするにあたり、利息の支払いを記載した補助簿を焼却した。
    以上のとおり認めることができ、右の事実によれば、破産者には破産法三六六条ノ九の二号に該当する事実があったと推認され、また同一号に該当する事由があることは明らかである。(なお、一件記録によれば、破産者は有明カントリークラブのゴルフ会員権〈額面二五〇万円〉を偽造までして、それを担保に大林正から約二〇〇万円借金していることが認められるが、これは昭和五七、八年ころなされたもので破産宣告前一年内のものでないから、同法三六六条ノ九の二号には該当しない。)
    右1の事実に対し、破産者は、構造改善事業から約九、〇〇〇万円の融資を受けられる手筈であったところ、その担保に供するための土地として三井鉱山三池鉱業所から同市内の土地五〇〇坪を一旦借受けたうえ、払下げを受ける予定であったものが、昭和五九年一月一八日の有明炭鉱の大事故により計画は頓挫したもので、この融資が実現しておれば事業を再建できた旨供述するが、右融資の前提となる土地の取得の可能性は曖昧であり、仮に実現したとして、破産者の供述するように内半額の四、五〇〇万円も金利の高い借金や融通手形の決済(しかも破産者はこれに要するだけで総額約八,四〇〇万円あると供述する)に回すことができるのか、又それで再建できるのか極めて疑問であり、右融資が実現すれば再建できたとの供述は到底措信しがたい。

    二、右事実によれば、破産者においては、漫然と倒産状態のままこれを秘して数年にわたり経営を継続しており、、また商業帳簿の一部を毀棄していることを考慮すると企業経営に携わる者として、誠実さに欠けるのもといわざるをえない。しかしながら、自ら意図的にかかる経営を続けたというよりも、打開策を見いだせないまま日時を費やしてしまった側面もあり、かつ再建策としては疑問ではあるが、前記構造改善事業からの借入をなそうと努力していた様子もある。さらに帳簿の毀棄については、一件記録によれば、もとより破産者は個人営業で会計帳簿に関する知識は乏しく、焼却したものは利息の支払いを記載した補助簿であるうえ、その他の売掛帳、仕入元帳などはほとんど残され、これら関係帳簿は全て破産管財人に提出されており、破産前の営業状態はそれにより概ね判明しうるものであったばかりか、毀棄した動機も直接的には債権者を害する意図でなしたものでなく、金員を借りていた個人、金融業者からかねてより「利息の支払は帳簿に載せないで欲しい。税務署に内密にして欲しい。」と頼まれていたためであったことが認められる。そして、他に破産法三六六条ノ九所定の免責不許可事由は認められない。
     右の諸事情を総合勘案すると、破産者には、免責するには相当でない程度の免責不許可事由があるものの、免責を全面的に不許可とすべき程まで著しく不誠実であったとはいえず、破産者においても、一般破産債権の僅かではあっても誠意をもって返済に努めたい旨供述していることを考慮すると、本件にあって免責を全面的に不許可とするのは破産者に過酷な結果となるものと言わざるをえず、ひいては債権者、破産者の利益を衡平に考慮し、破産者を更正させ、人間に値する生活を営む権利を保障しようとする法の趣旨を没却することになる。したがって、このような場合、破産者の生活状態、支払能力等をも考慮して、破産債権のうちの一定割合を除いて免責し、除外部分は免責不許可とすることができるものと解するのが相当であり、右の方法による免責によれば破産債権者平等の法意に反する虞もない。

    三 よってその他の諸般の事情に照らし、破産者に対し、各破産債権の元金の九八・五パーセント及びこれに対する利息、損害金はこれを免責し、その余の破産債権については、免責を許可しないこととし、主文のとおり決定する。
平成元年一一月二七日
福岡地方裁判所大牟田支部
裁判官 ***


事件経過表
丸山さんのまとめた経緯表から事実関係を整理したものです。

破産・免責に関る経緯表

破産者 福岡県大牟田市、○○印刷Y
訴え人 最高額の債権者
福岡県久留米市諏訪野町1604
丸山保太郎(栄善タイプライター商会)
TEL 0942―21―7790

昭和59年 4月 2日
 ○○印刷Y 不渡、倒産、(1984)
昭和59年 4月18日
 自己破産申立(福岡地方裁判所大牟田支部)に(以下地裁と言う)
 届出債権額1億3千万円、内、訴え人丸山の債権額 3千5百万円、
昭和59年 6月11日
 破産宣告(地裁より)
昭和59年 7月30日
 第1回債権者集会
昭和62年3月25日
 破産管財人弁護士**に対して内容証明郵便を出して報告等を求めた。
 直接面談に行ったが拒否されたため。
昭和63年 7月29日
 破産廃止(配当金なし)破産者が、その後、免責の(1988)申請をする。破産者が追加債権届をして、総負債額が1億5千万となる
昭和64年 1月10日
 免責申請に対して債権者拾数名で異議申立てを提出(1989)したが、裁判所の書記官より、代表2名にしてくれと要請され、改めて2名が署名して提出する。
平成 1年 4月 7日
 破産者側より地裁に上申書が提出される(免責を得るため)債権者丸山を誹謗した事実無限のもの
平成 1年 6月 5日
 破産者側の上申書に対して反論のため、丸山が陳述書を提出する(無利息で貸したことを記載)
平成 1年 7月10日
 破産者側より地裁に上申書が提出される
平成 1年 7月28日  上記に対して反論のため、丸山が陳述書を提出する(無利息で貸したことを記載)
平成 1年 8月25日
 破産者側より地裁に上申書が提出される
平成 1年11月 6日
 上記に対して、反論のため丸山が陳述書を提出する 。
平成 1年 9月 4日
 裁判官が破産者を審尋する。ここで始めて、丸山及び無利息で貸した数名の債権者を、日歩10銭で借りたと嘘の証言を破産者がする。
平成 1年11月27日
地裁決定文面では債権者がかなり有利と解されるが、文面に反し、支払額が1.5%と極端に少ない。無利息と高利に代表されるように、双方の主張が極端なのに対し、事実も無視して裁判所が、極端に破産者に有利な裁定をしている。
平成 1年12月
 最高額の債権者丸山及び破産者側の双方が福岡高等裁判所に抗告する。 (以下高裁と言う)
平成 2年 3月12日
 高裁決定。この決定は、破産者の嘘の上申書をそのまま採用したものであり、事実誤認である。
平成 2年 3月15日
 最高裁判所に特別抗告「法の基での平等」「公正な裁判を受ける権利」を主張
平成 2年 6月21日
 最高裁決定「民法の民訴法419条の2に限り最高裁に抗告できる」として却下される。
平成 3年 2月
 破産法366条の15に基づき、丸山が破産者の免責決定の取消を地裁に申立する。(免責が破産者の不正な方法で得られた場合)
平成 3年 5月15日
 丸山が地裁に破産者は破産犯罪(刑罰)に当ると要望書を提出する。
平成 3年 5月31日
 地裁決定(何度訴えても事実、真実、を裁判所が解明しようとせず一方的な裁定をする)
平成 3年 6月14日
 丸山が福岡高裁に即時抗告する。事実、真実を究明して裁定することを要求
平成 3年 8月 9日
 福岡高裁決定「平成2年3月12日の高裁決定を非難するだけ」とある。
平成 5年 3月
 上記の通り、破産法で5回も裁定があったが、一度たりとも正式法廷(対審)を開かず、善意の無利息で貸した私が高利の金融業者など事実と完全に反するので、破産法とは別件の破産者を名誉毀損、不法行為で私が地裁に訴える。(正式法廷が開かれる)
平成 5年12月22日
 上記の地裁で判決あり、丸山(私)が100%勝訴。

(その後丸山さんは、人権擁護委員会に人権救済の申立をし、裁判官訴追委員会に対して関与した裁判官のうち退職者を覗いた裁判官に対して訴追の請求をしているとのことです)


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