最高裁判所判例一覧(民事)
(判決言渡日降順)
○ 平成14年(許)第2号平成14年07月12日第二小法廷決定
- 要旨: 遺言執行者が申し立てた推定相続人の廃除を求める審判手続に参加した他の推定相続人は,廃除の申立てを却下する審判に対して即時抗告をすることができない
○ 平成11年(受)第602号平成14年07月11日第一小法廷判決
- 要旨: 商品代金の立替払契約がいわゆる空クレジット契約である場合に,同契約上の債務の保証人の意思表示に要素の錯誤があるとされた事例
○ 平成13年(許)第30号平成14年06月13日第一小法廷決定
- 要旨: 抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告においては,被差押債権の不存在又は消滅を理由とすることはできない
○ 平成11年(受)第271号平成14年06月10日第二小法廷判決
- 要旨: 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言によって不動産を取得した者は,登記なくしてその権利を第三者に対抗することができる
○ 平成13年(受)第1697号平成14年06月07日第二小法廷判決
- 要旨: 預託金会員制のゴルフクラブが民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たるとされた事例
○ 平成13年(受)第1662号平成14年06月07日第二小法廷判決
- 要旨: 債権仮差押えが取り下げられたときは,第三債務者は債権仮差押え後本執行前に行った同債権の弁をもって債権者に対抗することができる
○ 平成14年(許)第1号平成14年04月26日第二小法廷決定
- 要旨: 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止のために担保が立てられた場合において,債務者が破産宣告を受けたことの一事をもって,「担保の事由が消滅したこと」に該当するということはできない
○ 平成11年(受)第743号平成14年04月25日第一小法廷判決
- 要旨: 阪神・淡路大震災により被災した兵庫県司法書士会に復興支援金を寄付するために特別に負担金を徴収する旨の群馬司法書士会の総会決議の効力が同会の会員に対して及ぶとされた事例
横尾和子
○ 平成11年(受)第743号平成14年04月25日第一小法廷判決
- 要旨: 阪神・淡路大震災により被災した兵庫県司法書士会に復興支援金を寄付するために特別に負担金を徴収する旨の群馬司法書士会の総会決議の効力が同会の会員に対して及ぶとされた事例
深澤武久
○ 平成13年(受)第952号平成14年04月25日第一小法廷判決
- 要旨: 家庭用テレビゲーム機用ソフトウエアの中古品の公衆への譲渡が著作権侵害に当たらないとされた事例
○ 平成11年(オ)第887号、平成11年(受)第741号平成14年04月12日第二小法廷判決
- 要旨: 外国国家の主権的行為については,国際慣習法上,民事裁判権が免除される
○ 平成11年(受)第1220号平成14年03月28日第一小法廷判決
- 要旨: 転貸により収益を得ることを目的として締結された事業用ビルの賃貸借契約が賃借人の更新拒絶により終了しても,賃貸人が再転借人に対し信義則上その終了を対抗することができないとされた事例
○ 平成12年(受)第890号平成14年03月12日第三小法廷判決
- 要旨: 抵当権の物上代位の目的債権について,転付命令が第三債務者に送達される時までに抵当権者による差押えがされなかったときは,転付命令は,その効力を妨げられない。
○ 平成8年(オ)第852号平成14年03月08日第二小法廷判決
- 要旨: 通信社から配信を受けた記事をそのまま掲載した新聞社にその内容を真実と信ずるについて相当の理由があるとはいえないとされた事例
○ 平成12年(受)第836号平成14年03月28日第一小法廷判決
- 要旨: 敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において,当該賃貸借契約が終了し,目的物が明け渡されたときは,賃料債権は,敷金の充当によりその限度で消滅する
○ 平成9年(オ)第608号、609号平成14年02月28日第一小法廷判決
- 要旨: ビル管理会社の従業員が従事する泊り勤務の間に設定されている仮眠時間が労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例
○ 平成11年(受)第1455号平成14年02月22日第二小法廷判決
- 要旨: 宗教法人の所有する建物の明渡しを求める訴えが法律上の争訟に当たらないとされた事例
河合伸一
○ 平成11年(受)第1455号平成14年02月22日第二小法廷判決
- 要旨: 宗教法人の所有する建物の明渡しを求める訴えが法律上の争訟に当たらないとされた事例
亀山継夫
○ 平成12年(オ)第1965号、平成12年(受)第1703号平成14年02月13日大法廷判決
- 要旨: 1 証券取引法164条1項の趣旨
2 証券取引法164条1項と憲法29条
○ 平成13年(許)第10号平成14年02月05日第三小法廷決定
- 要旨: 商法704条2項にいう「先取特権」には民法上の先取特権も含まれる
○ 平成9年(オ)第1371号平成14年01月29日第三小法廷判決
- 要旨: 通信社が,新聞社に記事を配信するに当たり,その内容を真実と信ずるについて相当の理由があるとはいえないとされた事例
○ 平成8年(オ)第576号平成14年01月29日第三小法廷判決
- 要旨: 裁判所は,名誉毀損に該当する事実の真実性につき,事実審口頭弁論終結時においてその事実の客観的な存否を判断すべきであり,その際に名誉毀損行為の時点では存在しなかった証拠を考慮することも許される
○ 平成8年(オ)第2607号平成14年01月29日第三小法廷判決
- 要旨: 民法724条にいう被害者が損害を知った時とは,被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう
○ 平成7年(オ)第1421号平成14年01月29日第三小法廷判決
- 要旨: 通信社から配信を受けた記事をそのまま掲載した新聞社にその内容を真実と信ずるについて相当の理由があるとはいえないとされた事例
○ 平成10年(オ)第780号平成14年01月29日第三小法廷判決
- 要旨: 関連会社から記事の提供を受けてこれに基づく記事を掲載した新聞社に対する名誉毀損に基づく損害賠償請求権の時効消滅が認められなかった事例
○ 平成10年(オ)第512号平成14年01月22日第三小法廷判決
- 要旨: 参加的効力の及ぶ判決の理由中の判断とは,判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断などをいう
○ 平成12年(受)第828号平成14年01月22日第三小法廷判決
- 要旨: 他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行をすることを業とする行為が弁護士法73条に違反するとはいえない場合
○ 平成12年(受)第1084号平成14年01月22日第三小法廷判決
- 要旨: いわゆる寺院墓地を経営する寺院が当該寺院の属する宗派を離脱した使用権者に対してその宗派の方式と異なる宗教的方式により墓石を設置することを拒むことができるとされた事例
○ 平成11年(受)第1244号平成14年01月22日第三小法廷判決
- 要旨: 不動産工事の先取特権の対象となるべき不動産の増価額が不動産競売手続における評価人の評価又は最低売却価額の決定に反映されていない場合でも,同先取特権によって優先弁済を受けるべき権利は影響を受けない
○ 平成10年(オ)第282号平成14年01月22日第三小法廷判決
- 要旨: 株主代表訴訟への参加が商法268条2項ただし書にいう「不当ニ訴訟ヲ遅延」させるときに当たるとはいえないとされた事例
○ 平成12年(受)第1671号平成14年01月17日第一小法廷判決
- 要旨: 公共工事の請負者が保証事業会社の保証のもとに地方公共団体から支払を受けた前払金について,地方公共団体と請負者との間の信託契約の成立が認められた事例
○ 平成10年(オ)第730号平成13年12月18日第三小法廷判決
- 要旨: 有価証券に表章された金銭債権の債務者は,同債権を受働債権として相殺をするに当たり,同有価証券の占有を要しない
○ 平成13年(許)第21号平成13年12月13日第一小法廷決定
- 要旨: 仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い担保を立てさせて強制執行停止又は執行取消しがされた場合において,担保提供者が破産宣告を受けたことのみをもって,「担保の事由が消滅したこと」に該当するということはできない
○ 平成13年(受)第331号平成13年12月13日第一小法廷判決
- 要旨: 家畜人工授精所を開設する都道府県は,家畜人工授精用精液の提供を求める者が当該都道府県内の畜産農家ではないことのみをもって,同精液の提供を拒むことはできない
○ 平成13年(許)第15号平成13年12月07日第二小法廷決定
- 要旨: 信用組合の貸出稟議書が民訴法(平成13年法律第96号による改正前のもの)220条4号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たるとはいえない特段の事情があるとされた事例
○ 平成12年(受)第375号平成13年11月27日第三小法廷判決
- 要旨: いわゆる数量指示売買において数量が超過する場合,売主は民法565条の類推適用を根拠として代金の増額を請求することはできない
○ 平成10年(オ)第773号平成13年11月27日第三小法廷判決
- 要旨: 瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用がある
○ 平成10年(オ)第576号平成13年11月27日第三小法廷判決
- 要旨: 乳がんの手術に当たり,当時医療水準として未確立であった乳房温存療法について医師の知る範囲で説明すべき診療契約上の義務があるとされた事例
○ 平成10年(オ)第331号平成13年11月27日第三小法廷判決
- 要旨: 指名債権譲渡の予約についてされた確定日付のある証書による通知又は債務者の承諾をもって予約完結による債権譲渡の効力を第三者に対抗することの可否
○ 平成12年(オ)第1434号平成13年11月22日第一小法廷判決
- 要旨: 財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第2条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律は,憲法14条,29条3項,98条に違反しない
○ 平成10年(オ)第989号平成13年11月22日第一小法廷判決
- 要旨: 遺留分減殺請求権は特段の事情がある場合を除き債権者代位の目的とすることができない
○ 平成12年(受)第194号平成13年11月22日第一小法廷判決
- 要旨: 金銭債務の担保として既発生債権及び将来債権を一括して譲渡すること等を内容とする,いわゆる集合債権を対象とした譲渡担保契約における債権譲渡の第三者に対する対抗要
件
○ 平成12年(受)第372号平成13年11月22日第一小法廷判決
- 要旨: 土地の売買がいわゆる数量指示売買に当たるとされた事例
○ 平成10年(オ)第774号平成13年11月22日第一小法廷判決
- 要旨: いわゆる預託金会員制ゴルフクラブに入会するために支払うべき預託金についてされたクレジット契約においてゴルフ場の開場遅延が同契約に規定する分割払金の支払拒絶の事由に該当しないとされた事例
○ 平成13年(許)第20号平成13年11月21日第二小法廷決定
- 要旨: 裁判所は,借地借家法20条1項後段の付随的裁判として,相当な額の敷金を差し入れるべき旨を定め,その交付を命ずることができる
○ 平成12年(受)第1666号平成13年11月16日第二小法廷判決
- 要旨: 商標権の譲渡行為が詐害行為として取り消された場合に受益者が第三者から支払を受けた商標権使用許諾料相当額を不当利得として債権者が債務者に代位して返還請求をすること
○ 平成13年(受)第94号平成13年10月26日第二小法廷判決
- 要旨: 農地を転用のために買い受けた者は農地法5条所定の許可を得るための手続が執られなかったとしても特段の事情のない限り代金を支払い農地の引渡しを受けた時に所有の意思をもって農地の占有を始めたものと解するのが相当である
○ 平成12年(受)第798号平成13年10月25日第一小法廷判決
- 要旨: 小説形式の原稿におおむね依拠して作成された連載漫画が同原稿を原著作物とする二次的著作物であるとして,同原稿の著作者から同連載漫画の著作者に対する同連載漫画の主人公を描いた原画の作成,複製又は配布の差止請求が認容された事例
○ 平成11年(オ)第853号、854号平成13年10月25日第一小法廷判決
- 要旨: 税関職員の組織する労働組合とその組合員らが当局による昇任差別等があったとして提起した損害賠償請求のうち組合の請求を一部認容しその余の請求を棄却した原判決が是認された事例
○ 平成7年(オ)第1453号平成13年10月25日第一小法廷判決
- 要旨: 税関職員の組織する労働組合とその組合員らが当局による昇任差別等があったとして提起した損害賠償請求を全部棄却した原判決が是認された事例
○ 平成13年(受)第91号平成13年10月25日第一小法廷判決
- 要旨: 抵当権に基づき物上代位権を行使する債権者は他の債権者による債権差押事件に配当要求をすることによって優先弁済を受けることはできない
○ 平成11年(受)第223号平成13年7月10日第三小法廷判決
- 要旨: 被相続人の占有により取得時効が完成した場合において共同相続人の一人が取得時効を援用することができる限度
○ 平成11年(受)第922号平成13年6月28日第一小法廷判決
- 要旨: 1 言語の著作物の翻案の意義
2 既存の著作物に依拠して創作された著作物が,表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において既存の著作物と同一性を有するにすぎない場合は,言語の著作物の翻案に当たらない
○ 平成9年(オ)第1918号平成13年6月12日第三小法廷判決
- 要旨: 特許を受ける権利の権利者として自ら特許出願をしていた者が,譲渡証書を無断で作成するなどして特許権の設定の登録を受けた者に対し,当該特許権につき移転登録手続を請求することができるとされた事例
○ 平成9年(オ)第968号平成13年6月8日第二小法廷判決
- 要旨: 重い外傷の治療を行う医師が講じた細菌感染症に対する予防措置についての注意義務違反を否定した原審の認定判断に違法があるとされた事例
○ 平成12年(オ)第929号,平成12年(受)第780号平成13年6月8日第二小法廷判決
- 要旨: 1 民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するためには,原則として,被告が我が国においてした行為により原告の法益について損害が生じたとの客観的事実関係が証明されれば足りる
2 民訴法の併合請求の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するためには,同一当事者間において併合された請求間に密接な関係が認められることを要する
○ 平成11年(受)第722号平成13年4月26日第一小法廷判決
- 要旨: 事業協同組合における組合員に対する除名決議が除名事由の特定明示を欠くとして無効とされた事例
○ 平成13年(許)第2号平成13年4月26日第一小法廷決定
- 要旨: 文書提出命令申立て却下決定に対し口頭弁論終結後にされた即時抗告は不適法である
○ 平成12年(受)第458号平成13年4月20日第二小法廷判決
- 要旨: 普通傷害保険契約に基づき,死亡保険金の支払を請求する者は,発生した事故が偶然な事故であることについて主張,立証すべき責任を負う
○ 平成10年(オ)第897号平成13年4月20日第二小法廷判決
- 要旨: 生命保険契約の災害割増特約に基づき,災害死亡保険金の支払を請求する者は,発生した事故が偶発的な事故であることについて主張,立証すべき責任を負う
○ 平成12年(許)第52号平成13年4月13日第二小法廷決定
- 要旨: 抵当権に基づく不動産競売においては,抵当権の不存在又は消滅を売却許可決定に対する執行抗告の理由とすることはできない
○ 平成8年(オ)第232号平成13年3月28日大法廷判決
- 要旨: 小作地に対していわゆる宅地並み課税がされたことによって固定資産税及び都市計画税の額が増加したことは,農地法23条1項に規定する「経済事情の変動」には該当せず,それを理由として小作料の増額を請求することはできない
○ 平成7年(オ)第1659号平成13年3月27日第三小法廷判決
- 要旨: 平成3年当時に加入電話契約者の承諾なしにその未成年の子が利用したQ2情報サービスに係る通話料につき,NTTが加入電話契約者に対してその金額の5割を超える部分の支払を請求することが許されないとされた事例
○ 平成11年(受)第766号平成13年3月27日第三小法廷判決
- 要旨: 1 加入電話契約者以外の者がQ2情報サービスを利用した場合には,加入電話契約者は,特段の事情がない限り,情報料債務を負担しない
2 加入電話契約者以外の者が利用したQ2情報サービスに係る情報料について,加入電話契約者がNTTに対してした支払が法律上の原因を欠く場合に,NTTがこれによって得た利得を喪失したものとはいえないとされた事例
○ 平成10年(オ)第1037号平成13年3月27日第三小法廷判決
- 要旨: 遺言の証人となることができない者が同席してされた公正証書遺言の効力
○ 平成12年(許)第42号平成13年3月23日第二小法廷決定
- 要旨: 破産宣告決定の送達を受けた破産者の同決定に対する即時抗告期間は,同決定の公告のあった日から起算して2週間である
○ 平成12年(受)第192号平成13年3月13日第三小法廷判決
- 要旨: 書面に作成して署名又は記名押印するとの労働組合法14条所定の要件を備えない労働条件その他に関する合意と労働協約の規範的効力
○ 平成11年(受)第320号平成13年3月16日第二小法廷判決
- 要旨: 自動継続特約付きの定期預金債権に対する仮差押えの執行がされても,同特約に基づく自動継続の効果は妨げられない。
○ 平成11年(受)第1345号平成13年3月13日第三小法廷判決
- 要旨: 抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後に,抵当不動産の賃借人が,抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって抵当権者に対抗することの可否
○ 平成10年(受)第168号平成13年3月13日第三小法廷判決
- 要旨: 交通事故と医療事故とが順次競合した共同不法行為において,各不法行為者が負うべき損害額を被害者の被った損害額の一部に限定することは許されない
○ 平成10年(オ)第936号平成13年3月13日第三小法廷判決
- 要旨: 遺言者の住所をもって表示された不動産の遺贈につき同所にある土地及び建物のうち建物のみを目的としたものと解することはできないとされた事例
○ 平成12年(受)第222号平成13年3月2日第二小法廷判決
- 要旨: 業務用カラオケ装置のリース業者は,リース契約の相手方が当該装置により上映又は演奏される音楽著作物の著作権者との間で著作物使用許諾契約を締結し又は申込みをしたことを確認した上で当該装置を引き渡すべき条理上の注意義務を負う
○ 平成12年(許)第39号平成13年2月23日第二小法廷決定
- 要旨: 不動産,船舶,動産及び債権以外の財産権に対する強制執行において,執行裁判所が,財産権の価額を0円と定めた譲渡命令を発することは許されない
○ 平成12年(許)第10号平成13年2月22日第一小法廷決定
- 要旨: 1 特定の会計監査に関する記録又は資料を整理した監査調書は個々の文書の表示,趣旨の記載がなくても文書提出命令申立ての対象文書となる
2 裁判所は,1通の文書のうち特定の氏名,会社名等を除いた部分について提出を命ずることができる
○ 平成11年(オ)第1261号平成13年2月22日第一小法廷判決
- 要旨: 土地の買主が同土地の一部の所有権の帰属をめぐる裁判手続においてこれが隣接地に属する旨の隣接地所有者の主張を知った時点をもって民法564条所定の除斥期間の起算点とすることはできないとされた事例
○ 平成11年(受)第955号平成13年2月13日第三小法廷判決
- 要旨: 1 ゲームソフトにおいて設定されたパラメータを置き換え,本来予定された範囲を超えてストーリーを展開させるメモリーカードの使用が,ゲームソフトの著作者の有する同一性保持権を侵害するとされた事例
2 専らゲームソフトの改変のみを目的とするメモリーカードを輸入,販売し,他人の使用を意図して流通に置いた者は,他人の使用によるゲームソフトの同一性保持権の侵害をじゃっ起したものとして,不法行為に基づく損害賠償責任を負う
○ 平成12年(許)第17号平成13年1月30日第一小法廷決定
- 要旨: 取締役会の意思決定が違法であるとして取締役に対し提起された株主代表訴訟において,株式会社は,特段の事情がない限り,取締役を補助するため訴訟に参加することが許される
○ 平成10年(受)第562号平成13年1月25日第一小法廷判決
- 要旨: 手形を善意取得した者は,その後に言い渡された除権判決により,手形上の権利を失わない
○ 平成12年(許)第22号平成13年1月25日第三小法廷決定
- 要旨: 不動産引渡命令に対する抗告審の原決定取消決定に対する許可抗告事件
○ 平成一一年(受)第一一九七号平成一二年一二月一九日第三小法廷判決
- 要旨: 建物に抵当権の設定を受けた者が、建物につき民法九四条二項等により保護される事情があっても、敷地の賃借権につき上記事情がないときは、不動産競売手続における建物買受人は上記賃借権を取得しない
○ 平成一一年(許)第三六号平成一二年一二月一四日第一小法廷決定
- 要旨: 文書提出命令の申立てについての決定に対しては、文書の提出を命じられた所持者及び申立てを却下された申立人以外の者が即時抗告をすることはできない
○ 平成一一年(許)第三五号平成一二年一二月一四日第一小法廷決定
- 要旨: 信用金庫の貸出稟議書は、信用金庫の会員が代表訴訟において文書提出命令の申立てをした場合であっても、民訴法二二〇条四号所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たる
○ 平成一一年(受)第一三九〇号平成一二年一一月一四日第三小法廷判決
- 要旨: 不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろういわゆる軍人恩給としての扶助料は、同人の右不法行為による損害としての逸失利益に当たらない
○ 平成一一年(受)第二五七号平成一二年一一月一四日第三小法廷判決
- 要旨: 不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう遺族厚生年金は、同人の右不法行為による損害としての逸失利益に当たらない
○ 平成一〇年(オ)第九二〇号平成一二年一〇月二〇日第二小法廷判決
- 要旨: 商法二六五条一項の取引によって会社に損害を被らせた取締役に善管注意義務、忠実義務の違反がある場合、当該取締役は、同法二六六条一項四号の責任の外に同項五号の責任をも負う
○ 平成一一年(受)第四六一号平成一二年一〇月二〇日第二小法廷判決
- 要旨: 権利能力のない社団であるゴルフクラブが規約に従い総会の決議によってした構成員の資格要件を定める規約の改正は、特段の事情がない限り、右決議を承諾していない構成員に対しても効力を有する
○ 平成九年(オ)第二一九七号平成一二年九月二二日第二小法廷判決
- 要旨: 週休二日制の実施に伴い平日の所定労働時間を二五分間延長する就業規則の不利益変更が有効とされた事例
○ 平成九年(オ)第四二号平成一二年九月二二日第二小法廷判決
- 要旨: 医師の過失ある医療行為と患者の死亡との間に因果関係の存在は証明されないが、右過失がなければ患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性の存在が証明される場合、医師は不法行為責任を負う
○ 平成九年(オ)第一七一〇号平成一二年九月一二日第三小法廷判決
- 要旨: 週休二日制の実施に伴い平日の所定労働時間を一〇分間ないし六〇分間延長する就業規則の不利益変更が有効とされた事例
○ 平成一〇年(オ)第五二九号平成一二年九月七日第一小法廷判決
- 要旨: 一 受刑者と訴訟代理人である弁護士との接見の許可につき刑務所長が接見時間を三〇分以内に制限したことが適法とされた事例
二 受刑者と訴訟代理人である弁護士との接見の許可につき刑務所長が刑務所職員の立会いを条件としたことが適法とされた事例
○ 平成一〇年(オ)第五二八号平成一二年九月七日第一小法廷判決
- 要旨: 監獄法施行規則一二一条本文、一二七条一項本文は、憲法一三条、三二条に違反しない
○ 平成一〇年(受)第三三二号平成一二年九月七日第一小法廷判決
- 要旨: 印刷用書体が著作物に該当するためには、従来の印刷用書体に比して顕著な特徴を有するといった独創性及びそれ自体が美術鑑賞の対象となり得る美的特性を備えていなければならない
○ 平成一一年(受)第九四号平成一二年九月七日第一小法廷判決
- 要旨: 不法行為によって扶養者が死亡した場合における被扶養者の将来の扶養利益喪失による損害額の算定方法
○ 平成九年(オ)第一〇七七号平成一二年九月七日第一小法廷判決
- 要旨: 宗教団体がその包括する宗教法人の代表役員等に対してした不利益の取扱いにつき宗教法人法七八条一、二項の規定が適用される場合
○ 平成八年(オ)第一六七七号平成一二年九月七日第一小法廷判決
- 要旨: 五五歳以上の行員の賃金に不利益を及ぼす就業規則の変更が右行員に対し効力を生じないとされた事例
○ 平成一二年(許)第一号平成一二年七月二六日第三小法廷決定
- 要旨: 免責決定につき公告がされた場合の即時抗告期間は、その送達を受けた破産債権者についても公告のあった日から起算して二週間である
○ 平成一二年(オ)第五四七号平成一二年七月一四日 第二小法廷決定
- 要旨: 上告状及び上告理由書提出期間内に提出された書面のいずれにも民訴法三一二条一項及び二項に規定する事由の記載がないときは、原裁判所は、補正命令を発すべきではなく、直ちに決定で上告を却下すべきである
○ 平成一一年(受)第三八五号平成一二年七月一一日第三小法廷判決
- 要旨: 一 受贈者又は受遺者は、遺留分減殺の目的とされた贈与又は遺贈に係る各個の財産について、民法一〇四一条一項に基づく価額弁償をすることができる。
二 いわゆる単位株制度の適用のある株式につき新たに単位未満株式を生じさせる現物分割はできない。
○ 平成八年(オ)第二七〇号平成一二年七月七日第二小法廷判決
- 要旨: 一 商法二六六条一項五号にいう「法令」の意義
二 複数の株主が共同して追行する株主代表訴訟において一部の者が上訴した場合に上訴しなかった者は上訴人にはならない
○ 平成一〇年(受)第一二八号平成一二年六月二七日第三小法廷判決
- 要旨: 一 民法一九四条に基づき盗品の引渡しを拒むことができる占有者は、代価の弁償の提供があるまで右盗品を使用収益する権限を有する
二 盗品の占有者がその返還後にした民法一九四条に基づく代価弁償請求が肯定された事例
○ 平成七年(オ)第一〇五号平成一二年六月一三日第三小法廷判決
- 要旨: 弁護人となろうとする者から被疑者の逮捕直後に初回の接見の申出を受けた捜査機関が接見の日時を翌日に指定したことが違法とされた事例
○ 平成一〇年(オ)第九九四号平成一二年五月三〇日第三小法廷判決
- 要旨: 共同相続登記を経由した不動産につき受遺者から共同相続人の一人が遺留分減殺を原因として所有権を取得したときに、右共同相続登記を同人への所有権移転登記に更正することはできない
○ 平成一二年(許)第五号平成一二年五月一日第一小法廷決定
- 要旨: 家庭裁判所は、婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合に子と同居していない親と子の面接交渉について相当な処分を命ずることができる
○ 平成一一年(許)第四〇号平成一二年四月二八日第二小法廷決定
- 要旨: 破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき放棄の意思表示をすべき相手方
○ 平成八年(オ)第一〇四九号平成一二年四月二一日第二小法廷判決
- 要旨: 既発生債権及び将来債権を一括して目的とするいわゆる集合債権の譲渡予約において譲渡の目的となるべき債権が特定されているとされた事例
○ 平成一一年(許)第二三号平成一二年四月一四日第二小法廷決定
- 要旨: 抵当権者は、抵当不動産の賃借人を所有者と同視することを相当とする場合を除き、右賃借人が取得すべき転貸賃料債権について物上代位権を行使することができない
○ 平成一〇年(オ)第三六四号平成一二年四月一一日第三小法廷判決
- 要旨: 特許権に基づく差止め、損害賠償等の請求は、当該特許に無効理由が存在することが明らかであるときは、特段の事情がない限り、権利の濫用に当たり許されない
○ 平成一一年(許)第四二号平成一二年四月七日第二小法廷決定
- 要旨: 質権が設定されている金銭債権の被転付適格(積極)
○ 平成九年(オ)第一八七六号平成一二年四月七日第二小法廷判決
- 要旨: 建物収去土地明渡等本訴請求、土地所有権確認等反訴請求、土地持分移転登記手続等反訴請求事件
○ 平成八年(オ)第一〇二六号平成一二年三月三一日第二小法廷判決
- 要旨: 一箇月弱の期間に集中的に高度な知識、技能を修得させるための集合訓練期間中に請求された年次有給休暇に対する時季変更権行使の要件
○ 平成八年(オ)第二一七七号平成一二年三月二四日第二小法廷判決
- 要旨: 契約上の債権について訴訟上の和解の委任を受けた弁護士が、同契約の債務不履行に基づく損害賠償請求権についても和解の権限を有するとされた事例
○ 平成一〇年(オ)第二一七号、第二一八号平成一二年三月二四日第二小法廷判決
- 要旨: 長時間にわたる残業を恒常的に伴う業務に従事していた労働者がうつ病にり患し自殺した場合に使用者の民法七一五条に基づく損害賠償責任が肯定された事例
○ 平成九年(オ)第一九二七号平成一二年三月二一日第三小法廷判決
- 要旨: マンションの特定の専有部分からの汚水が流れる排水管の枝管が共用部分に当たるとされた事例
○ 平成一一年(テ)第二五号平成一二年三月一七日第二小法廷判決
- 要旨: 少額訴訟の判決に対する異議後の判決に対して控訴をすることができないとする民訴法三八〇条一項の規定は、憲法三二条に違反しない
○ 平成一一年(許)第三九号平成八年(ネ)第一四四号、第二〇四号平成八年(ネ)第一四四号、第二〇四号平成一二年三月一六日第三小法廷決定
- 要旨: 滞納処分による差押えの後強制競売等による差押えまでの間に賃借権が設定された不動産が強制競売手続等により売却された場合には、右賃借権に基づく占有者に対し引渡命令を発することができる
○ 平成八年(オ)第三八〇号平成一二年三月一四日第三小法廷判決
- 要旨: 婚姻関係が終了し家庭が崩壊していることと嫡出の推定を受ける子を被告とする親子関係不存在確認の訴えの許否
○ 平成一一年(許)第二〇号平成一二年三月一〇日第一小法廷決定
- 要旨: 一 証拠調べの必要性を欠くことを理由として文書提出命令の申立てを却下する決定に対しては、右必要性があることを理由として独立に不服の申立てをすることはできない
二 民訴法一九七条一項三号所定の「技術又は職業の秘密」とは、その事項が公開されると、当該技術の有する社会的価値が下落しこれによる活動が困難になるもの又は当該職業に深刻な影響を与え以後その遂行が困難になるものをいう
○ 平成一一年(許)第一八号平成一二年三月一〇日第一小法廷決定
- 要旨: 内縁の夫婦の一方の死亡により内縁関係が解消した場合、民法七六八条の規定を類推適用することはできない
○ 平成一一年(許)第二六号平成一二年三月一〇日第一小法廷決定
- 要旨: 一 民訴法二二〇条三号後段の文書には、文書の所持者が専ら自己使用のために作成した内部文書は含まれない
二 教科用図書検定調査審議会作成の、検定申請のあった教科用図書の判定内容を記載した書面及び文部大臣に対する報告書が民訴法二二〇条三号後段の文書に当たらないとされた事例
○ 平成一一年(受)第一〇六七号平成一二年三月九日第一小法廷判決
- 要旨: 一 破産宣告当時双務契約の当事者双方に未履行の債務が存在していても破産管財人が破産法五九条一項に基づく解除権を行使することができない場合
二 年会費のある預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産した場合に破産管財人が破産法五九条一項に基づく解除権を行使することができないとされた事例
○ 平成七年(オ)第二〇三〇号平成一二年三月九日第一小法廷判決
- 要旨: 労働者が始業時刻前及び終業時刻後の所定の入退場門と更衣所等との間の移動、終業時刻後の洗身等、休憩時間中の作業服及び保護具の一部の着脱等に要した時間が労働基準法上の労働時間に該当しないとされた事例
○ 平成七年(オ)第二〇二九号平成一二年三月九日第一小法廷判決
平成七年(オ)第二〇二九号平成一二年三月九日第一小法廷判決
- 要旨: 労働者が始業時刻前及び終業時刻後の作業服及び保護具の着脱等に要した時間が労働基準法上の労働時間に該当するとされた事例
○ 平成一〇年(オ)第五六〇号平成一二年三月九日第一小法廷判決
- 要旨: 一 離婚に伴う財産分与として金銭を給付する旨の合意は、不相当に過大な部分について、その限度において詐害行為として取り消されるべきである
二 離婚に伴う慰謝料を支払う旨の合意は、負担すべき損害賠償債務の額を超えた部分について詐害行為取消権行使の対象となる
○ 平成九年(オ)第九九二号、第九九三号平成一二年三月九日第一小法廷判決
- 要旨: 交通事故の被害者の保有者に対する損害賠償請求権が第三者に転付されたときは、被害者は転付された債権額の限度において自動車損害賠償保障法一六条一項に基づく損害賠償額の支払請求権を失う
○ 平成一〇年(オ)第一一一六号平成一二年三月九日第一小法廷判決
- 要旨: 年会費のない預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産した場合に破産管財人が破産法五九条一項に基づく解除権を行使することができないとされた事例
○ 平成八年(オ)第二二二四号平成一二年二月二九日第三小法廷判決
- 要旨: 一 破産宣告当時双務契約の当事者双方に未履行の債務が存在していても破産管財人が破産法五九条一項に基づく解除権を行使することができない場合
二 預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産した場合に破産管財人が破産法五九条一項に基づく解除権を行使することができないとされた事例
○ 平成一〇年(オ)第一〇八一号、第一〇八二号平成一二年二月二九日第三小法廷判決
- 要旨: 「エホバの証人」の信者である患者に対して輸血の方針に関し説明をしないで手術を施行して輸血をした医師が不法行為責任を負うとされた事例
○ 平成一一年(受)第一一〇号平成一二年二月二四日第一小法廷判決
- 要旨: 具体的相続分確認請求事件(最高裁判所平成一一年(受)第一一〇号平成一二年二月二四日第一小法廷判決、棄却)
○ 平成五年(オ)第一一八九号平成一二年二月二二日第三小法廷判決
- 要旨: 弁護人からの被疑者との接見の申出に対して書面を交付する方法により接見の日時等の指定をしようとした検察官の措置が違法とはいえないとされた事例
○ 平成七年(オ)第七九三号平成一二年二月七日第一小法廷判決
- 要旨: 捜査機関等に対する自白の信用性を肯定して少年らが強姦未遂及び殺人の犯人であると認定した原判決に経験則違反の違法があるとされた事例
○ 平成一一年(受)第五五三号平成一二年一月三一日第二小法廷判決
- 要旨: 宗教法人の代表者(住職)として寺院の所持を開始した者が、僧籍はく奪の処分を受けた後に、右寺院を占有している右法人に対して占有回収の訴えによりその返還を求めることができるとされた事例
○ 平成八年(オ)第一二八号平成一二年一月二八日第三小法廷判決
- 要旨: 長男を保育園に預けている女性従業員に対する東京都目黒区所在の事業場から同八王子市所在の事業場への異動命令が権利の濫用に当たらないとされた事例
○ 平成七年(オ)第一二〇三号平成一二年一月二七日第一小法廷判決
- 要旨: 一 渉外的な法律関係において、ある一つの法律問題を解決するために不可欠な前提問題の準拠法は、我が国の国際私法によって定めるべきである
二 血縁関係がない者の間における親子関係の成立についての準拠法
○ 平成一一年(オ)第一四五三号平成一二年一月二七日第一小法廷判決
- 要旨: 民法九〇〇条四号ただし書前段と憲法一四条一項
○ 平成八年(オ)第一二四八号平成一二年一月二七日第一小法廷判決
- 要旨: 建築基準法四二条二項の規定による指定を受け現実に開設されている道路に接する土地の所有者から右道路の敷地所有者に対する右道路内に設置されたポールの撤去請求が否定された事例
○ 平成一一年(オ)第七七三号平成一二年一月二七日第一小法廷判決
- 要旨: A名義の不動産につき、AからB、Bから甲への順次の相続を原因として直接甲に対する所有権移転登記がされているときに、右登記をAの共同相続人乙及びBに対する所有権移転登記並びにBから甲に対する持分全部移転登記に更正することはできない
○ 平成一〇年(オ)第五八三号平成一一年一二月二〇日第一小法廷判決
- 要旨: 交通事故の被害者が事故後に別の原因により死亡した場合には、死亡後に要したであろう介護費用を右交通事故による損害として請求することはできない
○ 平成一〇年(オ)第一四九九号、第一五〇〇号平成一一年一二月一六日第一小法廷判決
- 要旨: 特定の不動産を特定の相続人に相続させる趣旨の遺言がされた場合、右相続人に右不動産の所有権移転登記を取得させることは、遺言執行者の職務権限に属する
○ 平成一〇年(オ)第八六六号平成一一年一二月一四日第三小法廷判決
- 要旨: 株式が数人の共有に属する場合において、商法二〇三条二項所定の権利行使者の指定を欠くときは、共有者全員が議決権を共同して行使する場合を除き、会社の側から議決権の行使を認めることは許されない。
○ 平成一〇年(オ)第七一号平成一一年一一月三〇日第三小法廷判決
- 要旨: 会員募集用パンフレットに記載された高級ホテル等の施設が設置されなかったことを理由とするゴルフクラブ入会契約の債務不履行解除を認めなかった原審の判断に違法があるとされた事例
○ 平成九年(オ)第二二六七号平成一一年一一月三〇日第三小法廷判決
- 要旨: 民訴法三三八条一項五号の事由があるとして提起した除権判決に対する不服の訴えの係属中に罰すべき行為の公訴時効が完成した場合に、右訴えを提起することができないとされた事例
○ 平成一〇年(受)第四〇七号平成一一年一一月三〇日第三小法廷判決
- 要旨: 買戻特約付売買の買主から目的不動産につき抵当権の設定を受けた者は、買戻権の行使により買主が取得した買戻代金債権について物上代位権を行使することができる
○ 平成八年(オ)第五五六号平成一一年一一月二九日第二小法廷判決
- 要旨: 一 貸金庫の内容物については、利用者の銀行に対する貸金庫契約上の内容物引渡請求権を差し押さえる方法により、強制執行をすることができる
二 貸金庫契約上の内容物引渡請求権についての取立訴訟においては、差押債権者は、貸金庫を特定して貸金庫契約が締結されていることを立証すれば足り、貸金庫内の個々の動産を特定してその存在を立証する必要はない
○ 平成八年(オ)第七一八号平成一一年一一月二五日第一小法廷判決
- 要旨: 建築請負人が注文者に対し建物所有権保存登記の抹消登記手続請求訴訟を提起し、これを追行しても、請負代金債権の消滅時効は中断しない
○ 平成八年(オ)第一六九七号平成一一年一一月二四日大法廷判決
- 要旨: 抵当権者が抵当不動産の不法占有者に対して所有者の権利を代位行使し明渡しを請求することができるとされた事例
○ 平成一一年(許)第二号平成一一年一一月一二日第二小法廷決定
- 要旨: 銀行の貸出稟議書は、特段の事情がない限り、民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たる。
○ 平成九年(オ)第八七三号平成一一年一一月九日第三小法廷判決
- 要旨: 土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合、その余の共有者は、隣接地の所有者と共に訴えの提起に同調しない者を被告にして右訴えを提起することができる
○ 平成九年(オ)第四二六号平成一一年一一月九日第三小法廷判決
- 要旨: 主たる債務者である破産者が免責決定を受けた場合に、免責決定の効力の及ぶ債務の保証人は、その債権についての消滅時効を援用することができない
○ 平成九年(オ)第四一一号平成一一年一〇月二六日第三小法廷判決
- 要旨: 名誉毀損行為が刑事第一審の判決を資料としてその認定事実と同一性のある事実を真実と信じて摘示したものである場合には、特段の事情がない限り、摘示した事実を真実と信ずるについて相当の理由がある
○ 平成一一年(許)第二五号平成一一年一〇月二六日第三小法廷決定
- 要旨: 競売の対象とされた土地上に競売対象外の建物等が存在する場合であっても、右土地の引渡命令を発付することは許される
○ 平成九年(オ)第四三四号、第四三五号平成一一年一〇月二二日第二小法廷判決
- 要旨: 一 障害基礎年金及び障害厚生年金の逸失利益性の有無(積極)
二 障害基礎年金及び障害厚生年金についての各加給分の逸失利益性の有無(消極)
三 障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合にその相続人が受給権を取得した遺族基礎年金及び遺族厚生年金を控除すべき損害の費目
○ 平成九年(オ)第一七七一号平成一一年一〇月二一日第一小法廷判決
- 要旨: 平成九年(オ)第一七七一号平成一一年一〇月二一日第一小法廷判決
○ 平成八年(オ)第七五四号平成一一年九月二八日第三小法廷判決
- 要旨: 宗教法人の代表役員及び責任役員の地位にあることの確認を求める訴えが、法律上の争訟に当たらず、不適法とされた事例
○ 平成九年(オ)第二〇六〇号平成一一年九月一四日第三小法廷判決
- 要旨: いわゆる危急時遺言に当たり民法九七六条一項にいう口授があったとされた事例
○ 平成一〇年(受)第四五六号平成一一年九月九日第一小法廷判決
- 要旨: 生命保険契約の解約返戻金請求権を差し押さえた債権者は、これを取り立てるため、債務者の有する解約権を行使することができる
○ 平成八年(オ)第二四二二号平成一一年九月九日第一小法廷判決
- 要旨: 一 極度額を超える金額の被担保債権を請求債権とする根抵当権の実行と被担保債権について消滅時効中断の効力が及ぶ範囲
二 不動産競売の申立ての取下げと被担保債権の消滅時効中断の効力の帰すう
○ 平成七年(オ)第九四七号平成一一年七月一九日第一小法廷判決
- 要旨: 運賃変更の認可申請を却下した運輸局長の判断にその裁量権を逸脱し又はこれを濫用した違法はないとされた事例
○ 平成七年(オ)第二四六八号平成一一年七月一九日第一小法廷判決
- 要旨: 共同相続人が他の共同相続人の相続権を侵害している場合に相続回復請求権の消滅時効を援用しようとする者が立証すべき事項
○ 平成一〇年(オ)第六〇四号平成一一年七月一六日第二小法廷判決
- 要旨: 一 方法の発明に関する特許権に基づき、右方法を使用して品質規格を検定した物の製造販売の差止めを請求することはできない
二 特許法一〇〇条二項にいう「侵害の予防に必要な行為」は、差止請求権の行使を実効あらしめるものであって差止請求権の実現のために必要な範囲内のものであることを要する
三 医薬品の品質規格の検定が方法の発明に関する特許権を侵害する場合において、右医薬品についての薬価基準収載申請の取下げが特許法一〇〇条二項にいう「侵害の予防に必要な行為」に当たらないとされた事例
○ 平成九年(オ)第三一七号平成一一年七月一六日第二小法廷判決
- 要旨: 鋼管くいをクレーン車の装置により荷下ろしする際に玉掛け作業を手伝った者がクレーン車の運転補助者とはいえず自動車損害賠償保障法三条の他人に当たるとされた事例
○ 平成九年(オ)第三六七号平成一一年七月一五日第一小法廷判決
- 要旨: 出奔した県職員に対する懲戒免職処分が当該職員の知り得る状態に置かれ効力を生じたとされた事例
○ 平成八年(オ)第五三九号平成一一年七月一三日第三小法廷判決
- 要旨: 公道に一・四五メートル接する土地上の建築基準法施行前からあった建物が取り壊された場合に同土地の所有者につきいわゆる接道要件を満たすべき内容の囲繞地通行権が認められないとされた事例
○ 平成一〇年(オ)第二一八九号平成一一年六月二九日第三小法廷判決
- 要旨: 原判決の判断遺脱が上告理由たる理由不備に当たらないとされた事例
○ 平成八年(オ)第二二九二号平成一一年六月二四日第一小法廷判決
- 要旨: 遺留分減殺の対象となる贈与を受けた者が右贈与に基づき目的物の占有を継続し取得時効を援用したとしても、減殺請求をした遺留分権利者への目的物についての権利の帰属は妨げられない
○ 平成一〇年(オ)第一〇七七号平成一一年六月一一日第二小法廷判決
- 要旨: 遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となる
○ 平成七年(オ)第一六三一号平成一一年六月一一日第二小法廷判決
- 要旨: 遺言者の死亡前に提起された遺言無効確認の訴えは、遺言者が心神喪失の常況にあって、遺言者による当該遺言の取消し又は変更の可能性が事実上ないとしても、不適法である
○ 平成一〇年(許)第二号平成一一年五月一七日第二小法廷決定
- 要旨: 動産譲渡担保権に基づく物上代位権の行使が認められた事例
○ 平成九年(オ)第二〇三七号平成一一年四月二七日第三小法廷判決
- 要旨: 一 不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求は、配当要求に係る債権につき時効中断の効力を生ずる
二 右の配当要求によって生じた時効中断の効力は、不動産競売手続が申立債権者の追加手続 費用の不納付を理由に取り消された場合でも、取消決定が確定する時まで継続する
○ 平成一一年(オ)第一三三号、同年(受)第一一六号平成一一年四月二六日第一小法廷判決
- 要旨: 夫婦の一方から他方に対する人身保護法に基づく幼児の引渡請求を認めるべきものとされた事例
○ 平成一〇年(受)第六四四号、同年(オ)第二一七七号平成一一年四月二三日第二小法廷決定
- 要旨: 上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることはできない
○ 平成九年(オ)第一一〇四号平成一一年四月二二日第一小法廷判決
- 要旨: 共有に係る土地及び借地権につき全面的価格賠償の方法により分割することが許されるとされた事例
○ 平成八年(オ)第九九九号平成一一年四月二二日第一小法廷判決
- 要旨: 同一の申立てに係る複数の不動産の競売において、先行する配当手続で配当を受けることができなかった国税、地方税等は、後行の配当手続において再び私債権に優先するものとして取り扱われることを妨げない
○ 平成七年(オ)第一六〇号平成一一年四月二二日第一小法廷判決
- 要旨: 甲乙が自動二輪車に乗車中の交通事故により死亡した甲の両親が、捜査機関の認定に反して乙が運転者であったと主張して乙に対してした損害賠償請求訴訟の提起が違法とはいえないとされた事例
○ 平成九年(行ツ)第一六五号平成一一年四月二二日第一小法廷判決
- 要旨: 一 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えにおいて被告とすべき「当該職員」を誤ったときと行政事件訴訟法一五条の準用(積極)
二 地方自治法二四二条の二第一項四号所定の「当該職員」に対する訴えにおいて被告の変更がされた場合従前の被告に対する訴えの提起は新たな被告に対する時効中断事由に該当しない
○ 平成一〇年(許)第八号平成一一年四月一六日第二小法廷決定
- 要旨: 質権設定者は、質権者の同意があるなどの特段の事情のない限り、質権の目的とされた債権に基づき当該債権の債務者に対して破産の申立てをすることはできない
○ 平成八年(オ)第二三五八号、第二三五九号平成一一年四月一六日第二小法廷判決
- 要旨: 第三者が支払保証委託契約を締結する方法によって立てた担保に対して権利行使をするための確定判決等は担保提供義務者を当事者とするものであることを要する
○ 平成一〇年(受)第一五三号平成一一年四月一六日第二小法廷判決
- 要旨: いわゆる後発医薬品について薬事法一四条所定の承認申請をするため、当該医薬品を生産し、必要な試験を行うことは、特許権を侵害しない
○ 平成一〇年(受)第四七五号、第四七六号平成一一年四月八日第一小法廷決定
- 要旨: 上告受理申立てにつき不受理決定がされた場合の附帯上告受理申立ての帰すう
○ 平成七年(オ)第一七〇五号平成一一年三月二五日第一小法廷判決
- 要旨: 賃貸建物の新旧所有者が賃貸人の地位を旧所有者に留保する旨を合意したとしても、これをもって直ちに賃貸人の地位の新所有者への移転を妨げるべき特段の事情があるとはいえない
○ 平成一〇年(オ)第一一八三号平成一一年三月二五日第一小法廷判決
- 要旨: 取締役等を選任する甲株主総会決議の不存在確認請求に同決議の不存在を理由とする後任取締役等の選任に係る乙株主総会決議の不存在確認請求が追加された場合における甲決議の存否確認の利益の有無(積極)
○ 平成六年(オ)第七一五号平成一一年三月二五日第一小法廷判決
- 要旨: 宗教団体等を批判する記事が週刊誌等に掲載された場合において、出版社等は、信者個々人に対し、心の静穏を乱したことを理由として不法行為責任を負わないとされた事例
○ 平成五年(オ)第一一八九号平成一一年三月二四日大法廷判決
- 要旨: 刑訴法三九条三項本文の規定は、憲法三四条前段、三七条三項、三八条一項に違反しない
○ 平成八年(オ)第六〇九号平成一一年三月二三日第三小法廷判決
- 要旨: 脳神経減圧手術の後間もなく発生した脳内血腫等により患者が死亡した事案につき脳内血腫等の原因が右手術にあることを否定した原審の認定判断が違法とされた事例
○ 平成一〇年(ク)第六九九号平成一一年三月一二日第一小法廷決定
- 要旨: 高等裁判所のした保全抗告についての決定は許可抗告の対象となる
○ 平成一〇年(オ)第一四六五号平成一一年三月一一日第一小法廷判決
- 要旨: 分割払による貸金の返済期日が「毎月X日」と定められた場合にX日が休日に当たるときの返済期日の解釈と貸金業法一七条の書面に記載すべき「各回の返済期日」
○ 平成一〇年(ク)第六四六号平成一一年三月九日第三小法廷決定
- 要旨: 原裁判所は上告の理由が明らかに民訴法三一二条一、二項に規定する事由に該当しないことを理由として上告を却下することはできない
○ 平成一一年(許)第八号平成一一年三月九日第一小法廷決定
- 要旨: 原裁判所は民訴法三一八条一項の事件に当たらないことを理由として上告受理の申立てを却下することはできない
○ 平成一〇年(オ)第一三一八号平成一一年三月九日第三小法廷判決
- 要旨: 和議債権者は、和議認可決定の確定により和議債権が変更された後も、右変更前の和議債権を自働債権として右確定前に相殺適状にあった受働債権と相殺することができる
○ 平成九年(オ)第九五三号平成一一年三月九日第三小法廷判決
- 要旨: 被相続人の生存中に相続人に対し売買を原因としてされた所有権移転登記について、被相続人の死亡後に、相続を原因とするものに改める更正登記手続をすることはできない
○ 平成七年(オ)第六九〇号平成一一年二月二六日第二小法廷判決
- 要旨: 譲渡担保権者から目的物を譲り受けた第三者は、譲渡担保権者に対する清算金支払請求権を被担保債権とする留置権を主張して明渡しを拒む譲渡担保権設定者に対し、右請求権の消滅時効を援用することができる
○ 平成九年(オ)第一〇四号平成一一年二月二六日第二小法廷判決
- 要旨: 甲地のうち乙地との境界の全部に接続する部分を譲り受けた乙地所有者及び残部分を譲り受けた者が甲乙両地の境界確定の訴えの当事者適格を有するとされた事例
○ 平成一〇年(オ)第五一三号平成一一年二月二五日第一小法廷判決
- 要旨: 契約締結後約三八年八箇月を経過した木造建物所有目的の土地の使用貸借につき使用収益をするのに足りるべき期間の経過を否定した原審の判断に違法があるとされた事例
○ 平成八年(オ)第二〇四三号平成一一年二月二五日第一小法廷判決
- 要旨: 医師が肝硬変の患者について肝細胞がんを早期に発見するための検査を実施しなかったことと患者の死亡との間の因果関係を否定した原審の判断が違法とされた事例
○ 平成七年(オ)第一七四七号平成一一年二月二三日第三小法廷判決
- 要旨: やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定は無効である
○ 平成九年(オ)第二〇四九号平成一一年一月二九日第三小法廷判決
- 要旨: 一つの交通事故の共同不法行為者である甲及び乙のうち乙の賠償すべき額のみが過失相殺により減額された場合に甲がした損害の一部てん補が乙の賠償すべき額に及ぼす影響
○ 平成九年(オ)第二一九号平成一一年一月二九日第三小法廷判決
- 要旨: 将来支払われるべき診療報酬債権を目的とする債権譲渡契約のうち譲渡開始から六年八箇月目以降一年間に関する部分の効力が肯定された事例
○ 平成八年(オ)第二五〇号平成一一年一月二一日第一小法廷判決
- 要旨: 貸金業者は、債務者から預金口座等への払込みによって利息の支払を受けたときでも、貸金業法四三条一項の適用を受けるためには、同法一八条一項に従って受取証書を債務者に交付しなければならない
○ 平成一〇年(受)第五号平成一一年一月二一日第一小法廷判決
- 要旨: 被相続人から抵当権の設定を受けた相続債権者が相続財産法人に対して抵当権設定登記手続を請求することの可否(消極)
○ 平成七年(オ)第二一二二号平成一一年一月二一日第一小法廷判決
- 要旨: 水道事業者である町が水道水の需要を抑制するためマンション建設業者との給水契約を拒否したことに水道法一五条一項にいう「正当の理由」があるとされた事例
○ 平成七年(オ)第一四四五号平成一一年一月二一日第一小法廷判決
- 要旨: 建物賃貸借契約継続中に賃借人が敷金返還請求権の存在確認を求める訴えにつき確認の利益があるとされた事例
○ 平成八年(オ)第二三四三号平成一〇年一二月一八日第二小法廷判決
- 要旨: 通行地役権の承役地の譲受人が地役権設定登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する第三者に当たらない場合、通行地役権者は、譲受人に対し、地役権設定登記手続を請求することができる。
○ 平成九年(オ)第二一五六号平成一〇年一二月一八日第三小法廷判決
- 要旨: 特定のメーカーの化粧品の卸売業者が特約店契約によっていわゆるカウンセリング販売を義務付けている小売業者に対し特約店契約を締結していない小売店等に対する卸売販売を禁止することが、独占禁止法一九条に違反しないとされた事例
○ 平成六年(オ)第二四一五号平成一〇年一二月一八日第三小法廷判決
- 要旨: 特定のメーカーの化粧品の卸売業者が特約店契約によって小売業者に対していわゆる対面販売を義務付けることが、独占禁止法一九条が禁止する「不公正な取引方法」のうち一般指定の13にいう拘束条件付取引に当たらないとされた事例
○ 平成一〇年(許)第四号平成一〇年一二月一八日第三小法廷決定
- 要旨: 請負工事に用いられた動産の売主が請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することの可否
○ 平成六年(オ)第八五七号平成一〇年一二月一七日第一小法廷判決
- 要旨: 金員の着服を原因とする不法行為に基づく損害賠償請求の訴訟の係属中は、右着服金相当額の 不当利得返還請求権につき、時効中断事由としての催告が継続するとされた事例
○ 平成七年(オ)第一四一三号平成一〇年一一月二四日第三小法廷判決
- 要旨: 一 仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押えの執行保全の効力が存続する間は継続する
二 仮差押えによる時効中断の効力は、仮差押えの被保全債権つき本案の勝訴判決が確定した としても、これによって消滅するものではない
○ 平成八年(オ)第一三六二号平成一〇年一一月二〇日第二小法廷判決
- 要旨: マンション駐車場等の専用使用権を消滅させ、又はこれを有償とする集会決議と建物の区分所有等に関する法律三一条一項後段所定の「特別の影響」の有無
○ 平成八年(オ)第二五八号平成一〇年一〇月三〇日第二小法廷判決
- 要旨: 一 マンション駐車場の専用使用料を増額する集会決議と建物の区分所有等に関する法律三一条一項後段所定の「特別の影響」の有無
二 増額された使用料の支払いに応じないことを理由とする駐車場使用契約の解除の効力が否定された事例
○ 平成八年(オ)第一五五九号平成一〇年一〇月二二日第一小法廷判決
- 要旨: マンション駐車場の専用使用権分譲の対価が、マンション管理組合ではなく、分譲業者に帰属すべきものとされた事例
○ 平成六年(オ)第六五一号平成一〇年九月一〇日第一小法廷判決
- 要旨: 自動車損害賠償保障法一六条一項の規定に基づく損害賠償額の支払がされた場合に国民健康保険の保険者が国民健康保険法六四条一項の規定に基づき代位取得する損害賠償請求権の額
○ 平成五年(オ)第一二一一号、第一二一二号平成一〇年九月一〇日第一小法廷判決
- 要旨: 前訴において相手方当事者の不法行為により訴訟に関与する機会のないまま判決が確定した場合に、右判決に基づき支払った金員につき損害賠償請求をすることが許されないとされた事例
○ 平成五年(オ)第一二一一号平成一〇年九月一〇日第一小法廷判決
- 要旨: 裁判所書記官が原告からの誤った回答に基づいて被告の就業場所が不明であるとして実施した訴状等の付郵便送達が適法であるとされた事例
○ 平成七年(オ)第六三七号平成一〇年九月一〇日第一小法廷判決
- 要旨: 不正競争防止法二条一項一号に規定する「混同を生じさせる行為」は、「広義の混同惹起行為」を含む。
○ 平成九年(オ)第四四八号平成一〇年九月一〇日第一小法廷判決
- 要旨: 被害者が共同不法行為者の一人とした訴訟上の和解における債務免除の効力が他の共同不法行為者に対しても及ぶ場合と求償金額の算定
○ 平成七年(オ)第五二七号、第五二八号平成一〇年九月七日第二小法廷判決
- 要旨: 外国人登録法違反(指紋押なつ拒否)被疑事件における逮捕状の請求及びその発付が、明らかに逮捕の必要がなかったということはできず、適法なものであったとされた事例
○ 平成九年(オ)第一四四六号平成一〇年九月三日第一小法廷判決
- 要旨: 阪神・淡路大震災のような災害により賃借家屋が滅失し、居住用家屋の賃貸借契約が終了したときは、特段の事情がない限り、賃貸人は賃借人に「敷引金」を返還すべきである。
○ 平成七年(オ)第二一七八号平成一〇年八月三一日第二小法廷判決
- 要旨: 婚姻成立の日から200日後に出生した子が嫡出の推定を受けないとして、父親の死亡後にその養子が提起した親子関係不存在確認の訴えが適法とされた事例
○ 平成七年(オ)第一〇九五号平成一〇年八月三一日第二小法廷判決
- 要旨: 夫婦が別居を開始してから9カ月余り後に出生した子を被告として夫が提起した親子関係不存在確認の訴えが不適法とされた事例
○ 平成八年(オ)第二八〇号平成一〇年七月一七日第二小法廷判決
- 要旨: 新株発行に関する事項の公示を欠く新株発行につき、新株発行差止めの事由がないとは認められず、無効原因があるとされた事例
○ 平成六年(オ)第一三七九号平成一〇年七月一七日第二小法廷判決
- 要旨: 無権代理で本人が追認拒絶した後に本人を無権代理人が相続したときには、追認拒絶の効果を主張しても信義則に反しない
○ 平成六年(オ)第一〇八二号平成一〇年七月一七日第二小法廷判決
- 要旨: 他人の著作物に対する論評について、当該著作物の引用紹介が全体として正確性を欠くとまではいえないから、右論評に名誉毀損としての違法性があるということはできないとされた事例
○ 平成八年(オ)第二五九七号平成一〇年七月一四日第三小法廷判決
- 要旨: 血縁上の父親(上告人)が、父と子の間の親子関係の不存在の確認を求める訴訟を提起中に、その子(花子)を第三者の特別養子とする審判が確定した場合に、血縁上の父親には、訴えの利益がないとした原審には、違法な判断があるとした事件
○ 平成七年(オ)第二六四号平成一〇年七月一四日第三小法廷判決
- 要旨: 手形に商事留置権を持つ銀行が債務者の破産後に手形交換制度で取立てて弁済に充当する行為は管財人に対する不法行為とならない
○ 平成一〇年(ク)第三七九号平成一〇年七月一三日第三小法廷決定
- 要旨: 民事訴訟法337条の許可抗告は合憲
○ 平成九年(オ)第一二八号平成一〇年七月三日第二小法廷判決
- 要旨: 土地と建物に抵当権を設定した後に建物が取り壊されて新築された場合、法定地上権が新建物に成立しないとされた例
○ 平成六年(オ)第六九八号平成一〇年六月三〇日第三小法廷判決
- 要旨: ある債権の一部を訴訟で請求をし、別の訴訟でその残りの部分の債権を相殺のため主張することは原則としてできる
○ 平成六年(オ)第五八六号平成一〇年六月二二日第二小法廷判決
- 要旨: 詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の債権の消滅時効を援用することができる。
○ 平成八年(オ)第五二号平成一〇年六月一六日第三小法廷判判決
- 要旨: 地方自治法二四二条の二第七項にいう勝訴には請求の認諾がされた場合が含まれる
○ 平成五年(オ)第七〇八号平成一〇年六月一二日第二小法廷判決
- 要旨: 不法行為(予防接種の副作用)で心神喪失状態となった被害者は、事故の時から20年経過しても損害賠償請求権を行使できる
○ 平成五年(オ)第七〇八号平成一〇年六月一二日第二法廷判決
- 要旨: 不法行為の除斥期間経過後であっても、心身喪失の状況にある被害者が賠償を求めることができるとされた事例
○ 平成九年(オ)第八四九号平成一〇年六月一二日第二小法廷判決
- 要旨: 一部請求で敗訴したら残部請求が信義則により失権する。
○ 平成八年(オ)第一三〇七号平成一〇年六月一二日第二小法廷判決
- 要旨: 民法424条に基づいて債権譲渡の通知のみを取り消すことが認められなかった事例
○ 平成九年(オ)第二四三号平成一〇年六月一一日第一小法廷判決
- 要旨: 宅地建物取引業保証協会は内部規約で弁済業務保証の対象債権を限定して認証拒否することができない。
○ 平成九年(オ)第六八五号平成一〇年六月一一日第一小法廷判決
- 要旨: 遺産全部がある相続人に遺言で贈られた場合、他の相続人の遺産分割の申し入れは遺留分減殺の意思表示も含む。
○ 平成八年(オ)第四九七号平成一〇年五月二六日第三小法廷判決
- 要旨: 借主甲が貸主乙に指示して貸付金を丙に給付させた後に丁の強迫を理由に消費貸借契約を取り消した場合に、乙からの不当利得返還請求につき、甲が右給付により利益を受けなかったというべき特段の事情があるとされた事例
○ 平成五年(オ)第七八九号平成一〇年四月三〇日第一小法廷判決
- 要旨: 訴訟上の相殺の抗弁に対して、その自働債権を別の債権で相殺するという訴訟上の相殺の抗弁を主張することは許されない
○ 平成六年(オ)第七九九号平成一〇年四月三〇日第一小法廷判決
- 要旨: 宅配便の荷物の紛失について荷受人が運送会社に対して運送契約上の責任限度額を超えて損害賠償を請求することが信義則に反し許されないとされた事例
○ 平成六年(オ)第一八三八号平成一〇年四月二八日第三小法廷判決
- 要旨: 香港高等法院がした訴訟費用負担の裁判と執行判決の要件
○ 平成七年(オ)第二四七二号平成一〇年四月二四日第二小法廷判決
- 要旨: 履行不能の損害賠償請求権は本来の履行請求権と同一性を有し、本来の履行を請求し得る時点から消滅時効が進行する
○ 平成五年(オ)第二〇〇五号平成一〇年四月二四日第二小法廷判決
- 要旨: 受刑者の受信又は発信した信書の一部抹消と憲法二一条
○ 平成六年(オ)第二一三七号平成一〇年四月一四日第三小法廷判決
- 要旨: 構成員の一人が和議開始の申立てをする前の共同企業体の債務を右申立て後に弁済した他の構成員が右弁済による求償権をもって和議債務者の債権と相殺することの可否(積極)
○ 平成七年(オ)第一二三〇号平成一〇年四月九日第一小法廷判決
- 要旨: 疾病のため労働者が使用者に命じられた現場作業に従事することができないとしても直ちに債務の本旨に従った労務の提供がないとはいえないとされた事例
○ 平成五年(オ)第一四九二号平成一〇年三月二七日第二小法廷判決
- 要旨: 定期傭船されている船舶の積荷につき船荷証券が発行された場合において、船荷証券所持人に対して運送契約上の債務を負担する運送人の確定は、船荷証券の記載に基づいてすべきである。
○ 平成八年(オ)第一六八一号平成一〇年三月二七日第二小法廷判決
- 要旨: 商法二五七条三項所定の取締役解任の訴えは、会社と取締役の双方を被告とすべき固有必要的共同訴訟である
○ 平成六年(オ)第一四〇八号平成一〇年三月二六日第一小法廷判決
- 要旨: 同一の債権の一般の差押と抵当権者の物上代位による差押の優劣は、一般の差押命令の送達と抵当権設定登記との先後による
○ 平成八年(オ)第九八三号平成一〇年三月二六日第一小法廷判決
- 要旨: 配当に異議を述べなかった債権者は、後日他の債権者に不当利得を主張することができない
○ 平成八年(オ)第五五一号平成一〇年三月二四日第三小法廷判決
- 要旨: 共有者の一人による共有物の変更と他の共有者からの原状回復請求の可否(積極)
○ 平成七年(オ)第五一四号平成一〇年三月二四日第三小法廷判決
- 要旨: 将来における建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に当該建物を譲り受けた者が賃貸人の地位の移転に伴い取得した賃料債権は、差押債権者に対抗することができない。
○ 平成九年(オ)第二一一七号平成一〇年三月二四日第三小法廷判決
- 要旨: 民法九〇三条一項の定める相続人に対する贈与は、特段の事情のない限り、民法一〇三〇条の定める要件を満たさないものであっても、遺留分減殺の対象となる
○ 平成八年(オ)第一三四二号平成一〇年三月一三日第二小法廷判決
- 要旨: 国会議員の被選挙権を日本国民に限っている公職選挙法一〇条一項等の規定と憲法一五条並びに市民的及び政治的権利に関する国際規約二五条
○ 平成九年(オ)第二一八号平成一〇年三月一三日第二小法廷判決
- 要旨: 遺言公正証書の作成に当たり、証人は、遺言者による署名押印に立ち会うことを要する
○ 平成八年(オ)第二〇号平成一〇年三月一〇日第三小法廷判決
- 要旨: 受遺者が遺留分減殺請求を受ける前に遺贈の目的物を譲渡した場合、受遺者の遺留分権利者に対する価格弁償の額は、右時点における客観的に相当な額を基準として算定すべきである
○ 平成六年(オ)第一九九八号平成一〇年三月一〇日第三小法廷判決
- 要旨: 宗教法人の代表者(住職)として寺院建物の所持を開始した者が、僧籍はく脱の処分を受けた後に、右建物を占有している右法人に対して占有回収の訴えによりその返還を求めることができるとされた事例
○ 平成七年(オ)第一九九三号平成一〇年二月二七日第二小法廷判決
- 要旨: 遺言執行者がある場合における遺言によって特定の相続人に相続させるものとされた特定の不動産についての賃借権確認請求訴訟の被告適格
○ 平成九年(オ)第八〇二号平成一〇年二月二六日第一小法廷判決
- 要旨: 相続人に対する遺贈が遺留分減殺の対象となる場合においては、右遺贈の目的の価額のうち受遺者の遺留分額を超える部分のみが、民法一〇三四条にいう目的の価額に当たる
○ 平成六年(オ)第一九〇〇号平成一〇年二月二六日第一小法廷判決
- 要旨: 内縁の夫婦の共有不動産について、一方が死亡した後、他方が単独で使用する旨の合意があったと推認される
○ 平成六年(オ)第一○八三号平成一○年二月二四日第三小法廷判決
- 要旨: 明細書の特許請求の範囲の記載と一部異なる製品等が特許発明の構成と均等なものとしてその技術的範囲に属すると解すべき場合
○ 平成八年(オ)第二一六八号平成一〇年二月一三日第二小法廷判決
- 要旨: 不動産の死因贈与の受贈者が限定承認をした相続人であるときは、先に所有権移転登記を経由しても、信義則に照らし、これに後れて差押登記をした相続債権者に所有権取得を対抗することができない
○ 平成九年(オ)第九六六号平成一〇年二月一三日第二小法廷判決
- 要旨: 設定登記のされていない通行地役権について承役地の譲受人が登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらないと解すべき場合
○ 平成九年(オ)第四一九号平成一〇年一月三〇日第二小法廷判決
- 要旨: 抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡されて対抗要件が備えられた後においても、物上代位権を行使することができる
○ 平成六年(オ)第一〇八四号平成一〇年一月三〇日第二小法廷判決
- 要旨: いわゆるロス疑惑関連の名誉毀損訴訟で、被告人の読書傾向から犯罪動機を推測した朝日新聞の記事が意見表明に該当せず、また被告人が犯罪を犯したと信じるについて相当の理由もなかったとされた事例
○ 平成六年(オ)第一一一九号平成九年八月二九日第三小法廷判決
- 要旨: 高等学校用日本史教科書用図書の改訂検定に当たって文部大臣が助言・指導の性質を有する改善意見を付したうえ、これに応じることを合格の条件とする修正意見を付したことに裁量権の範囲を逸脱した違法があるとされた事例(第三次家永教科書訴訟判決)
○ 平成四年(オ)第一四四三号平成九年七月一七日第一小法廷判決
- 要旨: 連載漫画における最初の漫画の著作権の保護期間の満了後に漫画の登場人物について著作権を主張することの可否(消極)
○ 平成五年(オ)第一七六二号平成九年七月一一日第二小法廷判決
- 要旨: いわゆる懲罰的損害賠償を命じた外国判決について執行判決をすることの可否(消極)
○ 平成七年(オ)第一九八八号平成九年七月一日第三小法廷判決
- 要旨: いわゆる並行輸入に対する特許権に基づく差止めの可否(消極)
○ 平成七年(オ)第一二〇五号平成九年二月二五日第三小法廷判決
- 要旨: 医療過誤訴訟において鑑定のみに依拠してされた顆粒球減少症の起因剤及び発症日の認定に経験則違反があるとされた事例
○ 平成八年(オ)第二二〇号平成九年五月二七日第三小法廷判決
- 要旨: いわゆるロス疑惑関連の名誉毀損訴訟で、被告人が保険金詐取のため交換殺人を持ちかけたとの趣旨の記事が名誉毀損に当たり、後に同種の嫌疑で有罪判決を受けても損害が消滅するものではないとされた例
○ 平成五年(オ)第一〇三八号平成九年五月二七日第三小法廷判決
- 要旨: いわゆるロス疑惑関連の名誉毀損訴訟で、推理小説作家の推理として被告人が保険金殺人の主犯格だとする記事を掲載した夕刊紙の記事が名誉毀損に当たるとした例
○ 平成五年(オ)第一七五一号平成九年三月一三日第一小法廷判決
- 要旨: 日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言六項後段によるシベリア抑留者の損害と憲法二九条三項に基づく国に対する補償請求の許否(消極)
○ 平成四年(オ)第二一二二号平成九年二月二八日第二小法廷判決
- 要旨: 五五歳から六〇歳への定年延長に伴い従前事実上認められていた五八歳までの定年後在職の下での賃金等の労働条件に不利益を及ぼした就業規則の変更が有効とされた事例